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2004/09/10

<鳳仙花>◆対日赤字解決の鍵◆

 東京国際ギフトフェアをのぞいてみた。ありとあらゆる商品が展示されていたが、韓国のベンチャー企業が出展した「歯ブラシ殺菌器」は面白いアイデアだと思った。歯ブラシは一度使うと無数の細菌が付着する。それを10分で自動殺菌するというものだ。

 簡単に壁掛けできるので自宅の洗面所に置けば便利だと思い、説明を聞いていると、この商品の心臓部に当たる紫外線装置は日本製だという。「台湾製などと比較した結果、日本製が一番良かったので採用した」とのこと。この商品自体は日本市場を開拓できそうな感じがしたが、紫外線装置を提供している日本企業もその利益をしっかり握ることになるわけだ。

 実はこのような構図は、韓国の多くの産業分野でみられる。世界シェア1、2位を争う携帯電話や造船の核心部品の多くは日本製であり、半導体をつくる製造装置もほとんど日本から導入され、日本の機械や部品が様々な韓国商品にしっかり組み込まれている。

 いま韓国の輸出は絶好調だが、このように大事な部分を日本に依存しているため、輸出が好調であるほど日本からの輸入が増え、対日赤字は今年1-8月で159億㌦に達した。過去最大の規模であり、年間では250億㌦に迫る勢いだ。あまりにもハイスピードな対日赤字拡大に、さすがに韓国産業界からも警戒の声が出ている。

 では、どうすれば対日赤字問題を解決できるのだろうか。基本に戻る必要があると思う。国土が狭く天然資源に乏しい韓国は加工貿易で発展を遂げ、技術・頭脳集約型の産業構造の構築をめざして国造りを進めてきた。スイスは小さな国だが、精密機械では、その部品も含めどの国にも負けない。そんな国が目標になろう。

 半導体は世界1だが、その核心部品も自前で調達できるように開発することが大事ではないか。対日赤字問題解決のためのみならず、韓国経済の発展のためにも機械・部品・素材国産化計画を改めて樹立・推進すべきだと考える。(S)