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2006/11/10

<鳳仙花>◆ドバイの砂漠にコリアブランド◆

 「砂漠のど真ん中で、あの白い民族衣装(ディッシュダーシャ)を着たアラビア人が、サムスンの携帯電話で通話しているのをみてビックリした」

 最近、新婚旅行でドバイ(アラブ首長国連邦)を訪れた後輩の話である。砂漠の中で当たり前のように携帯電話が通じていることと、その携帯が韓国製だったことに驚いたと言うのだ。実は、ドバイでは、コリアブランドはすっかり市民権を得ている。その後輩も、車はトヨタなどの日本製が目についたが、薄型テレビや携帯電話などデジタル家電を売る販売店ではサムスンやLGなど韓国製が圧倒的に多かったと言う。

 デジタル家電の世界だけではない。斗山重工業が最近ドバイで、大型発電設備と海水を飲料水に変え150万人に飲料水を供給する淡水化・発電プラントを稼働させるなど、砂漠の緑化でもコリアブランドはすっかり有名になっている。

 また、サムスンが施工中の「ブルジュ・ドバイ」(700㍍、162階)は世界最高峰の超高層ビルになる。その建設現場を先月訪れた李健熙・サムスン会長は、「ドバイのシェイク・モハメド首長がドバイを世界が注目する発展モデルに変化させたように、創造経営に尽力しよう」と強調した。

 モハメド首長(57)は、ドバイを湾岸地域における観光と商業の中心都市に成長させた立て役者であり、バーム・アイランドに続き世界地図型の海上都市計画を実行に移すなど未来都市へと大改造を指揮する偉大なプランナーでもある。「将来を変革しようと努力しない者は、いつまでたっても過去から逃れられない囚人だ。時の動きは、人間を行動・創造・実行へと駆り立てる」という考えの持ち主だ。

 盧武鉉大統領も5月の訪問時に、「このような都市建設が砂漠で可能であるのか」と感銘を受けたと語った。ドバイの実験とその未来都市への進出に挑戦する韓国企業。私たちの未来は無限に開かれていることを示すものではないだろうか。(S)