ここから本文です

2008/06/13

<鳳仙花>◆韓日貿易不均衡打開への道◆

 韓日間で貿易不均衡問題が再び大きな課題として浮上している。昨年の対日赤字規模が過去最大の299億㌦に達したからだ。今年はそれを上回る勢いであり、何らかの対策が必要になっている。

 4月の訪日に際し、李明博大統領が対日赤字是正対策を指示し、両国経済界は打開策を探るため「韓・日BSR(ビジネス・サミット・ラウンドテーブル)協議会」を設置することに合意した。韓国側は今月中に事務局を設置するため準備会議をもつなど活発な動きを見せているが、日本側の動きはやや鈍い。

 韓日の経済事情に詳しい日本の専門家は、「折角、日韓関係が好転したのだから協力するのはやぶさかでないが、果たして韓国に中小企業工団を設置し、日本の中小企業を誘致するのが有効な対策になり得るのか十分な検討が必要だ」と指摘した。

 過去、様々な対策が講じられ、対日要求も数限りなくなされたものの赤字は縮小しなかった。日本からの輸入は機械など資本財が圧倒的に多く、これを使って輸出を増やしているという構造的な関係がある。今回新たに対策を講じる際、輸入代替のための国産化など過去に失敗した対策も綿密に検証してかからなければ、過去の失敗の繰り返しになりかねない。付け焼刃では何の意味もない。

 韓国企業の輸出努力を問う声もある。対日輸出比率は年々低下、06年の8・2%が今年は7・3%にまで低下している。最近ではサムスンの家電部門が日本の市場を放棄して撤退した。なぜなのか、検証が必要だろう。一方、日本での成功例としては真露が有名だ。最初は販売先が焼肉店などに限られたが、ねばり強い努力で日本での焼酎シェアトップを占めた。この真露の例は、日本市場に参入するのは難しいが、一度入り込めば市場を支配することも可能であることを示している。

 貿易は拡大均衡が望ましい。韓国は、将来の共同市場も視野に入れて、対日輸出ドライブ政策を採る必要があると思う。韓・日BSRはそれをサポートすることも可能だろう。(S)