ここから本文です

2009/07/24

<鳳仙花>◆韓国女子ゴルフ選手の活躍◆

 次から次へと強い選手が出てくる韓国女子ゴルフ。つい最近もゴルフの世界最高峰とされる全米女子オープン選手権で、韓国の池恩熹(チ・ウンヒ)選手が優勝した。昨年に続いて韓国人選手による2年連続の制覇だ。すでに韓国勢は、日本でも米国でも一大勢力となっていて、シード権を持つ韓国女子選手はUSLPGA(米女子プロゴルフ協会)で33人、JLPGA(日本女子プロゴルフ協会)で13人にのぼる。このような急成長はこの10年余のことであり、強さの秘密は何かを考えてみたい。

 まず第1に組織的な選手の育成があり、全国から中高生の有望な選手を集め、寄宿させて体力からメンタル面までの基礎をつくるシステムがある。第2に想像を絶する練習量があげられる。韓国女子ゴルフを牽引してきた「朴セリオンニ(姉さん)に続こう」と猛練習を繰り返している。

 第3に基本に忠実なスイング。オーバースイングになる選手は皆無に近い。中高校生から指導を受け、間違いのないスイングを身につけているからだ。終盤になっても安定したショットができ、優勝争いになるとスコアを伸ばせる。第4にハングリー精神がある。日本でも活躍した金愛淑(キム・エスク)さんは最近の講演の中で、「それは意欲です。目標に対する執念がすごく、世界一という夢を抱いて眠る時間まで削っているぐらいです。やればできるという信念はどこの国にも負けないと思います」と語っている。将来はプロゴルファーになるんだという明確な目標に向かって「前進」あるのみとの姿勢だ。

 第5に全財産を子供のために投資することもいとわない家族の献身がある。

 同世代の韓国選手と数多くの対戦をした宮里美香選手は、「モチベーションが違います。勝ちにいく気持ちが顔にもプレーにも現れているように感じます」と語っている。「学ぶべきはハングリー精神だ」という声は少なくない。韓国選手の活躍が日本選手にも大きな刺激になっている。韓日双方の選手が競り合って技術を高めていくよう、韓日のゴルフ交流も増やしていってほしい。(S)