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2010/01/22

<鳳仙花>◆日本大衆文化開放の効用◆

 「韓国に親しみを持つ日本人」「日本に親しみを持つ韓国人」が急増していることが、韓日それぞれの世論調査で明らかになった。その背景には、韓日間の大衆文化交流もありそうだ。端的な例として韓流がある。『冬のソナタ』『宮廷女官 チャングムの誓い』の大ヒットに見られる韓流ブームは、韓国をぐっと身近にした。

 韓国の対日理解も、1998年から日本大衆文化が開放されるようになって深まった。植民地支配から来る反日感情、そして韓国文化に及ぼす影響や国内産業保護の観点で、大衆文化開放は制限されていた。しかし、いざ実施してみると、韓国民は落ち着いて受け入れ、以後、日本への旅行者や、映画・ドラマ・演劇の韓日合作が増大するなどの相乗効果を生み出した。

 2004年には第4次文化開放が行われ、音楽CD、アニメ、コンサートなども全面開放され、残るは地上波での放送だけとなった。日本のドラマは衛星やケーブルでの放送が認められているが、地上波では放送が禁止されているのは、お茶の間に広く日本語が入ってくることへの抵抗感が、韓国社会にまだ残っているからだろう。

 しかし、今日ではむしろ、ドラマ放送を通じて日本社会に対する理解や関心がより深まることの方が、長期的視点で見れば韓日関係にプラスとなるのではないか。第1次大衆文化開放から12年、これまで開放によって物議をかもしたという話も聞かない。逆に最近では、ドラマ『アイリス』の秋田ロケをきっかけに、秋田を訪れる韓国人観光客が増大したという事例さえある。

 柳仁村(ユ・インチョン)・文化体育観光部長官は年初、「日本と中国では、地上波で韓国ドラマを放送している。韓国の地上波でも日本ドラマを見る事が出来てもいい。お互いに与え合う関係が大切だ」と、前向きな発言を行ったと聞く。

 もう韓日間の交流に垣根は必要ない時代だろう。(L)