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2010/02/19

<鳳仙花>◆冬季五輪、驚くべき韓国の活躍◆

 バンクーバー冬季五輪で韓国の活躍が際立っている。5日目現在で金3、銀1とドイツに次ぐ総合2位だ。まずスピードスケートで期待にたがわぬ成績を残している。得意のショートトラック男子1500㍍で予想通りの金、長距離走の男子5000㍍でも、アジア人初メダルとなる銀メダルを獲得した。圧巻は陸上の100㍍に当たる500㍍。男女アベック優勝を飾り、世界を驚かせた。冬季五輪史上初の快挙だ。

 これまで冬季五輪は欧米勢の独壇場だった。72年札幌冬季五輪で日本がアジア勢進出の道を切り開き、92年アルベールビル冬季五輪大会で初メダルを獲得した韓国、中国が続いた。

 それからわずか18年、韓国は前回トリノ大会まで31個のメダルを獲得する急成長を見せた。その強さの秘密はどこにあるのだろうか。

 韓国は夏季五輪同様、国家一丸となって取り組んできた。有望選手を幼い頃から発掘・選抜し、恵まれた訓練施設を用意した。選手もそれに応えた。1日8時間に及ぶ猛練習もいとわず、体力・精神力を鍛えた。

 時速60㌔のスピードが出るスピードスケートは、100分の1秒を争う。欧米勢に劣る身体能力を補うため、ウエートトレーニングを増やしたり、走行姿勢を低くしピッチを多くしてスタートダッシュをかける訓練方法を編み出した。

 「銀盤の競輪」と呼ばれるお家芸のショートトラックは、試合中の転倒が絶えず、相手選手の靴の刃が刺さる事故も多い。一瞬の油断も出来ない。高速でコーナーを曲がるため、スピードとバランス感覚を養うコーナーベルト訓練などに取り組んだ。技術と精神力を鍛えた選手たちのたゆまない努力が実を結んだ結果のメダルといえよう。

 韓国は、2018年冬季五輪の平昌(江原道)誘致に3たび挑戦している。韓国選手の活躍は、その呼び水にもなるはずだ。(L)