ここから本文です

2011/01/14

<鳳仙花>◆スポーツ先進国めざす韓国◆

 今年から日本のオリックスでプレーする朴賛浩(パク・チャノ)投手が、コリアン大リーガー第1号となった94年春、ロスのコリアタウンを訪れる機会があった。地元のロサンゼルス・ドジャースに入団した朴投手の話題でみな持ちきりで、登板前からまさに英雄だったのを覚えている。

 韓国スポーツ界の英雄は韓国国民と海外同胞にとって、コリアンとしての誇りを感じさせる大きな存在だということを、改めて実感させられた。

 昨年はそのスポーツ界で、バンクーバー冬季五輪フィギュアスケート金メダリストの金妍兒(キム・ヨナ)をはじめ、サッカーワールドカップ(W杯)南アフリカ大会のベスト16入り、広州アジア大会男子競泳での朴泰桓(パク・テファン)の3冠達成など、相次ぐ快挙に沸いた。米女子ゴルフツアーでも2年連続賞金女王輩出、日本では男女とも賞金ランクトップに輝き、コリアン旋風を世界に巻き起こした一年だった。

 今年も開催中のサッカーアジア杯(ドーハ)の51年ぶり優勝への期待、3月の世界フィギュア選手権(東京)で金妍兒が自身の世界記録更新、8月の世界陸上選手権(大邱)での活躍など目が離せない。ゴルフも昨年に続き、韓国勢の躍進が予想される。

 このように世界の注目が集まる韓国スポーツ界だが、国民全体でスポーツに親しむ風土はまだ、先進国水準とはいえない。例えば水泳は、一部児童以外は小学校高学年になるとやめていく。野球も一部有力選手以外は、ほとんどがやめるという。厳しい受験戦争の影響が大きいが、残念なことだ。

 韓国はエリート選手の育成に力を入れ、今夏には第2のナショナルトレーニングセンターが一部オープンするが、エリート選手育成と同時に、「全国民のスポーツ化」にも力を注いでもらいたい。そして次世代選手を多数輩出し、スポーツ先進国として韓国国民と海外同胞を再び勇気付けてほしい。(L)