ここから本文です

2011/07/15

<鳳仙花>◆平昌(ピョンチャン)をアジア冬季スポーツのハブに◆

 2018年冬季五輪開催地に決まった平昌(江原道)のスローガンは「新しい地平線」だ。「世界人口の60%を占めるアジア地域において、冬季スポーツの新しい市場を作り出しアジアのハブ(拠点)にする」との公約で、平昌開催決定の大きな要因となった。その公約通り、平昌はハブになれるだろうか。

 過去、アジアで冬季五輪を開催したのは札幌(72年)と長野(98年)だ。しかし、ハブには成り得なかった。

 平昌はソウルから車で3時間ほどのリゾート地である。ドラマ『冬のソナタ』の舞台にもなった龍平スキーリゾートを中心会場に、各種競技場が隣接、世界で最もコンパクトな会場設定を実現している。自然も豊かで四季折々の風景を楽しめる。また食材にも恵まれている。「冬季スポーツのハブ」だけでなく、陸・海・空のレジャーが可能な「リゾートのハブ」にも成り得る可能性があるが、そのためにも、国を挙げての長期戦略が必要だろう。

 まず選手強化が必要だ。バンクーバー冬季五輪では金メダル6個を獲得し5位に入ったが、氷上競技に比べスキー種目が弱い。韓国政府はスキー種目強化の方針を立てており、海外からも支援の声が出ている。06年トリノ冬季五輪フリースタイルスキー男子モーグル銅メダリストの韓国系米国人トビー・ドーソンさんは、「スキー種目のコーチを引き受けたい」と語っているが、心強い限りだ。

 韓国政府はまた、04年から実施している雪のない国や地域の子供たちに冬のスポーツに親しんでもらうドリームプロジェクトの参加人数倍増、江原道全体の再開発なども計画しているという。ぜひ精力的に進めてほしい。

 IOC(国際オリンピック委員会)のジャック・ロゲ委員長は、「平昌がアジアの冬のスポーツの新たなハブに生まれ変わり、偉大な遺産を残すだろうと信じている」と語った。その期待に応えられる平昌を見たい。(L)