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2012/07/27

<鳳仙花>◆オリンピックと韓国◆

 ロンドン五輪が27日開幕し、17日間にわたる熱戦の火蓋を切る。韓国は22競技に245人の選手が出場し、金メダル10個以上を獲得し、3大会連続の総合10位入りをめざしている。目標へ向けてぜひ頑張ってほしい。

 さて、ロンドンでの五輪開催は今回で3度目だが、韓国が独立後初めて参加した五輪は1948年の2度目のロンドン大会だった。当時、韓国は7競技に67人の選手団を派遣し、銅メダル2個を獲得、59カ国中32位の成績だった。それから64年。同じロンドンで開催されるだけに感慨深いものがある。

 この間、スポーツ界において韓国の存在感は確実に増している。特に忘れられないのが88年のソウル五輪。総合7位の成績を収め、世界を驚かせたが、五輪正常化に果たした役割も大きい。当時、モントリオール五輪(76年)をアフリカ諸国がボイコット、続くモスクワ五輪(80年)とロス五輪(84年)は東西両陣営の一方がそれぞれボイコットする片肺開催が続いていた。ソウル五輪でやっと全世界からの参加が実現し、平和の祭典が甦った。

 ところで、今回のロンドン五輪にはある特徴がある。女子ボクシングが採用され、初めてすべての競技が男女とも行われることになった。韓国の張美蘭選手が3連覇に挑戦する女子重量挙げも12年前のシドニー五輪から採用された。また、すべての参加国が女子選手を派遣することも初めてだ。平和の祭典にふさわしいことだ。

 近代五輪の父、クーベルタン男爵は「スポーツを通じて心身を向上させ、文化・国籍など様々な違いを乗り越え、友情、連帯感、フェアプレーの精神をもって、平和でよりよい世界の実現に貢献する」五輪精神を唱えた。

 「勝つことではなく、参加することに意義がある」という。これは負けていいということではない。「より速く、より高く、より強く」という五輪標語にあるように、いい成績を収めるための懸命の努力が大切であるということを意味する。韓国選手をはじめ全選手が五輪精神をモットーに全力を尽くしてほしい。(S)