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2012/09/07

<鳳仙花>◆市民交流が支える韓日関係◆

 韓国ドラマを見たことがない人でも、「ヨン様」は知っていることだろう。韓流ブームのきっかけとなった韓国ドラマ「冬のソナタ」の主人公を演じたペ・ヨンジュンの愛称である。

 冬ソナが作られたのは10年前、サッカーW杯韓日共催大会が開かれた年だった。その翌年、日本で同ドラマが放映されると、爆発的なヒットとなり、韓流ブームが一気に訪れた。最近では、チャン・グンソクなど新たな韓流スターが登場している。

 一方、韓国では日流が起き、日本の小説やドラマ、コミックなどが一大ブームとなっている。現在、韓日合作の映画やテレビドラマも盛んに作られ、食文化も相互に受け入れられる時代になった。

 いま韓日関係の停滞が危惧されている。韓日は隣国であり、植民地支配という不幸な時代があった歴史的背景を考えれば、時には悪化する時期が訪れるのも無理からぬことだ。

 しかし、年間500万人が相互往来し、経済・文化など相互依存関係が大きく進んでいる現状を考えれば、韓日交流停滞は一時のものに過ぎないだろう。

 大切なことは両国間に問題があることを認識し、その解決を長期的視野で図る一方で、文化、スポーツ、学術、芸能などの多様な交流を、これまで以上に積み重ねておくことではないだろうか。

 昨年3月の東日本大震災では、韓国の救助隊が東北の被災地に一番乗りし、韓国全土で被災者への募金活動が展開された。さらにさかのぼれば2001年、東京・新大久保駅でホームから転落した日本人を助けようとして亡くなった、韓国人青年の「義挙」もあった。

 それらにもう一度思いを託し、韓日市民の「絆」を深めていきたいものだ。

 今月末には「韓日・日韓交流おまつり」が、東京・新宿のコリアタウンなどで開かれる。韓日市民の友好の声を大きく響かせよう。(L)