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2014/10/17

<鳳仙花>◆地球規模の環境問題と韓国◆

 地球の未来のために大切な3つの環境課題がある。温暖化防止と砂漠化対処、それに生物多様性の保全だ。国連は1992年にブラジルで開いた地球サミットでこれら3つの課題に取り組む条約を採択した。それから22年。自然災害が年々増えており、これらの課題の重要性が増しているが、韓国にはどんな役割が期待できるだろうか。

 折しも、4年後の冬季五輪開催地・平昌(ピョンチャン)で生物多様性会議が開かれている。韓国は国土緑化の成功体験を伝える「山林生態系復元イニシアチブ」事業などを提案し、支援を強化する方針だ。生物多様性とは、地球上の生物がバラエティーに富み、複雑で多様な生態系そのものを示す言葉だが、自然環境の悪化に伴い、1400万種にのぼる地球の生物のうち、鳥類の12%、哺乳類の23%、両生類の32%が滅種危機にあるという。

 3年前には砂漠化に対処するための会議が韓国の昌原で開催された。会議では主催国・韓国の提案で「ランドフォーライフ(生命の大地)賞」の設置が決定した。砂漠化を防ぐための有効な事例や取り組み、知見を集め、より効果的な成果をめざしたものだ。現在、砂漠化のため、乾燥地で農業を行なっている11億人の人々が農産物収穫減などの被害を受けていると報告されている。

 温暖化防止では韓国に国際的にも大きな役割が期待されている。開発途上国の温暖化防止対策を支援する新国際機関「グリーン気候基金(GCF)」が松島(ソンド)新都市に設置された。このGCF加盟国は190カ国にのぼり、環境分野の世界銀行と位置づけられている。主に先進国が資金を提供、これを途上国に支援する方式で運営される。

 環境問題の解決は容易でない。特に資金や技術に乏しい途上国にとっては難題だ。韓国の役割は、このような途上国に様々な形で協力することではないか。もちろん、平昌が「世界の環境首都」をめざして都市緑化など広範囲な取り組みをしているように、韓国自らが率先して環境改善に励まなければならないのは言うまでもない。私たちの住む「地球村」である。環境問題により一層真剣に取り組んでいきたいものだ。(S)