ここから本文です

2022/12/02

<鳳仙花>◆崔洋一・映画監督の死を悼む◆

 93年公開の映画『月はどっちに出ている』は、在日コリアンでタクシー運転手の男性と出稼ぎで日本に渡ってきたフィリピン女性との恋愛模様を軸に、さまざまな人々の人生を描いた作品だ。

 原作は在日の作家・梁石日の自伝的小説『タクシー狂操曲』で、崔洋一監督が鄭義信とともに脚本を担当し、メガホンを握った。社会的差別を受ける弱者として描かれることが多かった在日コリアンを、したたかに生きる一人の人間として描いて話題となった。その一方で、「在日社会をおかしく描きすぎている」「差別の問題と向き合っていない」などの批判も受けた。


つづきは本紙へ