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2023/11/17

<オピニオン>転換期の韓国経済 第165回                                                       中央大学経済学部 向山 英彦 非常勤講師

  • 転換期の韓国経済 第165回                                                       中央大学経済学部 向山 英彦 非常勤講師

    むこうやま・ひでひこ1957年、東京生まれ。中央大学法学研究科博士後期課程中退、ニューヨーク大学修士。証券系経済研究所などを経て、2001年より22年まで(株)日本総合研究所勤務。中央大学経済学部非常勤講師。主な著書に「東アジア経済統合への途」など

  • 転換期の韓国経済 第165回                                                       中央大学経済学部 向山 英彦 非常勤講師

◆財政再建を優先する尹政権◆

 最近の韓国経済には好材料と悪材料がみられる。好材料は10月の輸出が1年ぶりに前年比プラスに転じたこと、悪材料はCPI(消費者物価指数)上昇率が8月以降再び上昇していることである。両者は異なった動きになったが、昨年水準の反動によるところが大きい点では共通している。輸出は昨年10月にマイナスに転じており、CPI上昇率は昨年1月の3・6%から7月に6・3%へ上昇基調が続いていた。

 加速したインフレを抑制するために、韓国銀行は2021年8月から今年1月までの間に政策金利を7回引き上げた結果、0・5%から3・5%へ大幅に上昇した。金利の急上昇は住宅価格の下落と住宅投資の冷え込みにつながったほか、債務返済負担の増大を通じて消費余力を低下させた。


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