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2023/11/03

<オピニオン>曲がり角の韓国経済 第95回  増え続ける韓国の家計負債   ニッセイ基礎研究所 金 明中 上席研究員

  • 曲がり角の韓国経済 第95回  増え続ける韓国の家計負債   ニッセイ基礎研究所 金 明中 上席研究員

    キム・ミョンジュン 1970年韓国仁川生まれ。慶應義塾大学大学院経済学研究科前期・後期博士課程修了(博士、商学)。独立行政法人労働政策研究・研修機構アシスタント・フェロー、日本経済研究センター研究員を経て、2008年からニッセイ基礎研究所。亜細亜大学都市創造学部特任准教授等を兼任。専門分野は労働経済学、社会保障論、韓日社会政策比較分析。

◆ポピュリズムを捨て危機的状況の打破を◆

 韓国における家計債務が継続的に増加傾向にある。韓国の2022年の家計債務総額は1867兆㌆で、21年の1863兆㌆より0・2%増加した。最近の23年第2四半期末の家計債務総額は1863兆㌆で、前年同期比で0・3%減少したものの、相変わらず高い水準を維持している。家計債務とは、家計部門が抱える金融機関などからの借金のことであり、住宅や自動車のローン、クレジットカードを使った借り入れなどが含まれる。

 OECD加盟国における家計債務の可処分所得に対する比率を見ると、21年時点で韓国は210%と、同時期のデータが利用できるOECD加盟国の中で6番目に高く、OECD平均(33カ国)125%と日本の122%を大きく上回っている。さらに、最近10年間における家計債務の可処分所得に対する比率の変化をみると、韓国は12年の154%から21年には210%に56㌽も増加し、データが利用できるOECD加盟国の中で最も増加幅が大きかった。


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