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2011/01/14

<在日社会>李 秀賢(イ・スヒョン)さんの勇気忘れない

  • 李 秀賢さんの勇気忘れない

       99年ごろの李秀賢さん

 2001年1月26日、東京のJR新大久保駅でホームから転落した男性を救おうとして韓国人留学生、李秀賢さん(当時26歳)と、日本人カメラマン関根史郎さん(当時47歳)が亡くなって今年で10年目になる。李さんを偲ぶ会が26日午後4時、東京・千代田区の主婦会館プラザエフで行われる。

 李秀賢さんは韓国・高麗大学で貿易を専攻していた。「将来は韓日を結ぶ貿易やイベントの仕事をしたい」と、2000年1月に来日し日本語学校「赤門会」に入学。日本の大学院進学を目指し、勉学に励んでいた。

 01年1月26日夜、新大久保駅ホームで、見知らぬ日本人男性が線路に転落するのを見て、助けようと線路に飛び降り、電車にはねられて亡くなった。

 この事件は韓日両国で大きな反響を呼び、金大中・韓国大統領(当時)は、「殺身成仁」とその崇高な精神を称えた。

 その後、李さんの両親に韓国社会、日本社会から多くの見舞金が寄せられ、両親はそれを元に02年1月26日、奨学会を設立し、日本語学校に通うアジア各国の留学生に毎年奨学金を支給してきた。昨年10月までにアジア16の国と地域485人に授与してきた。

 また、李さんを主人公にした映画『あなたを忘れない』も07年に公開されている。

 26日の偲ぶ会では父親の李盛大さんが講演し、李さんの思い出やこの10年間について語る。

 偲ぶ会は10年目を節目に今年で終わり、今後は毎年10月の奨学金授与式を通じて、アジアの学生らと交流を続ける計画という。

 28日午後7時からは追悼チャリティーコンサート「アジアの風になって」が、東京・四谷区民ホールで開催される。