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2006/05/12

<今月の貿易統計>輸出の好調続く

 原油価格の急騰やウォン高にもかかわらず、輸出が好調を維持している。しかし、自動車、無線通信機器、石油、鉄鋼など主力品目の輸出が鈍化または減少しており、こうした状況が続けば、下半期には貿易収支が赤字に転落する可能性もあると懸念されている。

 産業資源部が発表した4月の輸出入動向(通関ベース)によると、輸出は257億7000万㌦で、前年同月より12・7%増えた。これによって輸出は、年初から3カ月連続で二ケタの伸びを記録した。

 一方、輸入も242億3000万㌦に達し、前年同月比14・0%増えた。昨年2月以降、輸入は14カ月連続で二ケタの伸びとなり、ウォン高を追い風に今後も拡大傾向にある。これによって貿易収支は15億5000万㌦と前年4月と比べ8000万㌦減ったが、今年に入って最高水準となっている。

 しかしながら、懸念材料も多い。輸出は好調だが、主力品目が振るわず、行き先が不透明となっている。第1四半期に10・7%増加した自動車の輸出は、4月に入って1・2%増に大幅に下落した。これは、ウォン高と不正資金疑惑による現代自動車のブランドイメージの低下が原因とみられている。

 また、成長が著しかった携帯電話などの無線通信機器も第1四半期の1・5%増から4月は8・8%減にマイナスに転じ、鉄鋼や石油化学製品も大幅に後退している。

 産業資源部は、今年の貿易黒字予測を230億㌦としているが、ウォン高などの悪材料で目標達成が危ぶまれている。