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2010/06/04

<今月の貿易統計>輸出好調・5月は41%増加

 韓国の輸出が絶好調だ。輸入も急増、貿易は拡大の一途を続けている。知識経済部が発表した5月の輸出入動向によると、同月の輸出は前年同月比41・9%増の394億9000万㌦、輸入は50・0%増の351億2000万㌦を記録。貿易額は746億1000万㌦に達した。今年に入り、輸出入とも毎月30%以上の高い伸びを示していたが、5月は南欧の財政危機や哨戒艦沈没事件があったにもかかわらず、輸出の勢いはむしろ強まり、今年最大の実績をあげた。国際市場で韓国商品の地位が確立していることを示すものだ。この輸出好調で今年の経済成長率は政府予測5%を上回る見通しであり、輸出主導型経済を鮮明にしている。

 5月は操業日数が前月比2・5日少なかった。しかし、輸出額は前月の394億3000万㌦をわずかだが上回った。1日平均の輸出額は16億4000万㌦から18億4000万㌦に増加した。

 輸出主力品目は、前月比29・2%減となった無線通信機器を除き、自動車(70・2%)、自動車部品(87・3%)、半導体(81・0%)、家電(62・6%)、液晶デバイス(36・8%)、船舶(15・2%)と軒並み健闘した。

 輸出好調は、期待以上だが、世界景気が回復に向かったのが大きい。今年に入って5月末までの平均為替レートは1㌦=1142ウォン。これは昨年平均の1275ウォンに比べ10%ほど切り上がっており、非価格競争力で力をつけていることを示した。

 輸入は、原油や鉄鋼など原材料と、半導体製造装備など資本財分野で増加した。国際原材料価格の上昇により原油の輸入が前年に比べ84・2%増加し、石油製品(61・0%)、ガス(123・0%)、石炭(34・7%)などの輸入増加が目立った。特に、輸出用資本財に含まれる半導体装備の輸入は4倍近い276・5%増加した。輸出好調により、輸出品の製造に使われる資本財の輸入が先月は36・4%増えた。これは、輸出が増えれば輸入が増えるという韓国の貿易構造ゆえのことだ。

 5月の貿易収支は43億7000万㌦の黒字を計上。4カ月連続の黒字で、1~5月の黒字は118億7000万㌦に達した。年間目標200億㌦は超過達成する見通しだ。

 昨年の貿易黒字は405億㌦と史上最高を記録したが、これは輸出が前年比マイナス13・9%に落ち込み、輸入は25・8%の大幅減少を記録した結果だ。いわば「不況型黒字」だ。これに比べ今年は輸出入とも急増する中での黒字であり、拡大再生産型となっている。国内景気が上向き、経済成長率が上昇しているのもこのためだ。

 知識経済部は、「導入単価の上昇による原材料の輸入増加にもかかわらず主力品目の輸出が増え、輸出入ともに前年に比べ増加し、不況型黒字から脱した」と分析している。