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2000/12/01

<韓国経済>大宇自動車、労使が構造調整案合意

 大宇自動車の労使が構造調整案で劇的な合意を見た。両者の合意は、法定管理(会社更生法)を申請した大宇自の生死を握っている法院(裁判所)が労組の同意書提出期限を28日としていたため、労組側が「清算」だけは避けたいと、ぎりぎりになって決断したものだ。これによって大宇自は、法定管理に入ることが確実になり、近日中にも債権団の資金支援が再開される見通しだ。

 大宇自動車の労使は先月27日、午前と午後にわたり交渉を続け、焦点となっていた「リストラによる人員削減」について最終的に合意した。

 合意文に「人員調整」という文言を入れることに一貫して反対してきた大宇自労組は、強硬姿勢をやわらげ、「事業構造、部品および製品価格、人員などを含む全分野にわたっての構造調整が必要という認識を同じくする」とした労使間の合意文作成に合意した。

 会社側はその見返りとして、「12月中に構造調整を断行する」という部分から「12月中」という表現を削除するなど譲歩した。労使はまた、経営革新と工場の正常稼働のため経営革新委員会を構成する自主再建案を早期に整えることで合意した。

 労使間の合意で、大宇自が債権団に要請していた富平工場稼働のための運転資金4530億ウオン、人員削減による退職金および給与遅配など2000億ウオンの資金が近いうちに支援されると期待している。

 債権団は、「労組の構造調整同意書が確定すれば資金支援を行う」という姿勢を明らかにしており、法院の法定管理開始決定前であっても、資金を支援するもようだ。
 法定管理については、李ユンスン・仁川地裁判事は、「労使が会社を生かそうという意思を示したことは、法定管理の決定に肯定的な影響を及ぼす」と述べ、法定管理を認可する考えを示唆した。

 構造調整に関して会社側は、アザーアンダーソン・コンサルティングのアドバイスを土台に、すでに基本的構造調整案を確定している。会社側は人員削減に伴って、退職金の支払いなどに充てる特別資金の支援を債権団に要請しているもようだ。
 一方、構造調整が本格化すれば、米ゼネラル・モーターズ(GM)との本格的な買収交渉が再開される見通しだ。