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2001/10/26

<韓国経済>半導体不況で75%減益 サムスン電子

  • keizai_011026.jpg

    半導体は今後も景気回復のメドが立たず、苦戦が続きそうだ(サムスン電子器興工場)

 売上高は第2四半期(8兆ウオン)に比べ約10%の減少、営業利益も同97%の落ち込みで収益構造が急激に悪化した。

 事業部別にみると、低迷が続く半導体の売上高は1兆6000億ウオンにとどまり、営業利益は3800億ウオンの赤字だった。しかし、携帯電話が好調でIT分野は3600億ウオン、家電が100億ウオン、デジタルメディアが200億ウオンのそれぞれ黒字を達成した。

 当初、市場はサムスン電子の半導体の赤字幅を2500億ウオン水準と予測していたが、汎用DRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリー)の価格急落で営業利益率が50%まで落ち込んだため、赤字が膨らんだ。

 業界関係者は、「サムスン電子の半導体価格についていた“サムスンプレミア”が第3四半期以降なくなり、他社の製品と単価がほぼ同じになった」と話す。

 サムスン電子の半導体部門が赤字に転落したため、世界のDRAM企業はすべて赤字体制に入った。しかし、サムスンは、マイクロン、インフィニオン、ハイニックスなど他のメジャーに比べ製品のポートフォリオが良好で、2兆3000億ウオン程度の内部留保を抱え、減産に踏み切ることはないと強気だ。

 しかし、米テロ事件の余波で年末特需は期待できず、ウインドウズXP用の256メガDRAMの需要も望み薄の状態で、半導体はなお厳しい局面が続くもようだ。

 第3四半期の業績悪化を重く見て、サムスン電子は今年3度目となる投資計画の下方修正を実施し、当初予定の7兆3000億ウオンを4兆7000億ウオンに引き下げた。半導体部門への投資は当初の6兆ウオンから4兆ウオンに縮小する。また、年末配当は1株あたり3000ウオン(中間配当500ウオンを含む)に決定した。