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2001/04/06

<韓国経済>「ウリ金融グループ」発足

 政府が100%の株式を握る金融持ち株会社「ウリ金融グループ」が2日、傘下銀行と関連子会社の役員が出席してハンビット銀行本店で発足式を行い、本格的なスタートを切った。ウリ金融グループは、傘下銀行間の振り込み手数料を免除するなど、顧客中心の営業を展開するほか、不良債権問題を効率的に解決するため、各金融機関が保有する不良債権を統合し、一括処理する方針だ。

 ウリ金融グループは、企業金融(ハンビット銀行)、地域別のリテール金融(慶南銀行)、投資銀行(ハナロ総金)に機能を特化し、多角的な金融サービスの提供をめざす。

 ウリ金融のスタートに際して記者会見した尹炳哲会長は、「公的資金が投入されて誕生した金融グループであり、国民に借金を返すつもりで頑張りたい」と抱負を語り、▽公的資金の迅速な回収▽適切な実績評価▽銀行別機能の再編―などの経営方針を明らかにした。

 ウリ金融は、資本金3兆6373億ウオンで、ハンビット銀行、光州銀行、平和銀行、慶南銀行、ハナロ総金の5金融機関とハンビット証券、ネックスビテックなど系列9社が参加している。総資産は102兆8916億ウオンで世界90位内の金融グループとなり、役職員は1万8933人に達する。

 ウリ金融は、銀行4行とハナロ総金の電算システムを年内に統合し、子会社として分離独立させるほか、ハンビット証券とハナロ総金を来年にも統合・合併する方針だ。ハナロ送金は、ハンビット証券との合併で巨大投資銀行に変身することになる。

 一方、ウリ金融の経営コンサルタントを担当している米ATコニーは、▽店舗の整理▽企業金融業務の統合▽カード事業の分離・子会社化▽銀行信託部門の統合・子会社設立などを提案した。

 特に急を要するのは、重複店舗の整理問題だ。3月末現在、ハンビット・平和・慶南・光州を合わせると766店舗となり、朝興銀行(399店舗)の2倍近い数になる。特にソウルと京畿地域は、ハンビットと平和銀行の店舗が重複しており、合理化が必要だ。ウリ金融は、早急に店舗の整理や資産運用など業務の効率化を図り、営業体制を軌道に乗せたいとしている。