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2008/02/22

<韓国経済>大手600社・今年の投資14%増の92兆ウォン

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    例年と違って今年は製造業の投資が増え、内需が活性化する見通しだ(サムスン電子エアコンライン)

 ここ数年低迷していた大企業の投資に春の気配が漂っている。財界は、果敢な規制改革を打ち出し、「親企業政策」を推進すると表明している李明博次期政権の登場を歓迎しており、投資拡大を通じた混在成長力の拡充と競争力強化に積極的に乗り出す。全国経済人連合会(全経連)の調査によると、大手600社が今年は昨年より11兆3000億ウォン(14・0%)多い92兆4000億ウォンを投資すると明らかにしており、久々に産業界に活気が戻る見通しだ。

 昨年の600社の投資実績をみると、製造業で0・2%減、非製造業で13%増となり、全体では5・1%増の81兆1000億ウォンだった。投資増加率は05年以降3年連続でマイナスとなった。

 企業が今年の投資計画を大幅に引き上げたのは、大企業への規制を強化した盧武鉉政権と違い、経済再生と市場経済を重視する新政権への期待感の表れとみられる。しかし、600社の投資増加率は、年初に全経連が発表した30大グループの投資増加率(19・1%)には及ばなかった。今年の30大グループの投資規模は、前年比14兆4000億ウォン増え89兆9000億ウォンに達している。

 全経連は、「今年の30大グループの投資増加率は、経済成長率及び消費増加率、輸出展望値よりもはるかに高く、韓国経済の成長をけん引するだろう」と歓迎している。

 業種別の投資計画をみると、製造業の投資増加率が15・1%と高く、特に電機・電子、コンピューター部門が20%の高い数値を示している。造船、化学も業績の好調を反映して投資を拡大するが、繊維・衣服、履物は内需回復の遅れで29・7%減、製油は高度化設備への投資が一段落したため10%程度の伸びにとどまっている。

 投資がプラスに転じた業種は、電機・電子、コンピューター、紙・パルプ、印刷、木材・家具、自動車など。非製造業については、建設が不振だが、卸・小売、宿泊、輸送などが好調で12・6%増加する。

 大企業は、投資拡大の理由として、「新製品の生産及び技術開発の強化」(38・1%)を挙げた。次いで「老朽設備の改善」(27・5%)、「内需及び輸出の拡大」(16・0%)と続く。

 投資の拡大によって雇用創出などの波及効果が期待されている。これまでは、IT(情報技術)分野に大型投資が集中したため、雇用拡大などの効果は小さかったが、今年は製造業の投資が強化され、内需の活性化に寄与するもようだ。