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2009/04/10

<韓国経済>相互出資と債務保証を制限

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    昨年に続き財界1位になったサムスン

 公正取引委員会は、資産総額が5兆ウォンを超える48の企業グループを、相互出資・債務保証制限を受ける企業集団に指定した。これら企業集団の昨年の売上高は、初めて1000兆ウォンを超えた。しかし、金融危機の影響で負債比率が増え、収益性は悪化している。専門家の間では、財務構造の改善が早急に行われなければならないとの指摘が出ている。

 今回、相互出資・債務保証制限を受ける企業集団に新たに指定されたのは、韓国石油公社、OCI(旧・東洋製鉄化学)、エスオイル、現代産業開発、熊津、サムスンテスコ、世亜、韓国投資金融、KT&Gなど9つの企業グループ。株価上昇やM&A(企業の合併・買収)などで資産規模が指定基準の5兆ウォンを超えたため、相互出資・債務保証制限を受けることになった。

 このなかでは、OCIが4社を系列に組み込んだことで、資産が増え、企業集団としての全体資産が前年比100%増の8兆4000億ウォンに膨らんだ。サムスンテスコも昨年10月、ホームプラステスコを買収し、資産が2兆ウォン増加した。

 一方、サムスン、現代自動車、SK、LGなど39グループは、今年も引き続き相互出資制限を受ける企業集団に指定された。

 今回、財界の順位にも変動がみられた。資産規模を基準にして見ると、ポスコ(9位→7位)とロッテ(7位→8位)の順位が逆転し、STX(21位→19位)と大宇造船海洋(28位→20位)がトップ20位以内に入った。半面、韓国鉄道公社が21位、ハイニックスが22位に落ち、トップグループから脱落した。

 相互出資制限を受ける48の企業集団は、系列社の数が昨年より大幅に増加した。しかし、財務構造は悪化した。昨年、攻撃的な事業拡張を進めたにもかかわらず、米国発金融危機の余波で負債比率が増大し、収益性が悪化した。

 実際、48の企業集団の08年総売上高は、昨年の41企業集団よりも29・4%多い1009兆8000億ウォンに達する。しかし、金融負担が増えたことで収益は悪化している。48企業集団の08年当期純利益は30兆9000億ウォンで、41企業集団の当期純利益(51兆1000億ウォン)より20兆ウォン以上も減った。

 48企業集団の負債総額は691兆9000億ウォンで、昨年の41企業集団の負債総額501兆5000億ウォンより38%も増大した。負債比率も119・9%で、昨年より21・5ポイント上昇した。特にサムスンテスコ(942%)、GM大宇(741%)、大宇造船海洋(632%)、現代重工業(324%)などは、負債比率が200%を超えた。公営企業では、土地公社(472%)、ガス公社(434%)、住宅工事(421%)などの負債比率が高い。

 資産総額は全体的に大きく増加した。48企業集団の資産総額は1310兆6000億ウォンで、昨年の41企業集団の資産総額より25・6%増えた。資産総額の増加幅が大きい企業集団は、サムスン、SK、住宅公社、現代自の順となった。

 公正取引委員会によると、48企業集団の系列社数は1137社で、昨年の企業集団より約20%(191社)増加した。1集団の系列社数は平均23・7社で、昨年(23・1社)より増えた。系列社の数では、SK(77社)、GS(64社)、サムスン(63社)、CJ(61社)の順に多く、昨年、系列社がもっとも増えたのはLG(16社増)だった。