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2010/01/15

<韓国経済>ポスコ・インドで製鉄事業を拡大

  • ポスコ・インドで製鉄事業を拡大①

    インドのシン首相(右)と会談する鄭俊陽会長(昨年9月)

  • ポスコ・インドで製鉄事業を拡大②

 鉄鋼最大手のポスコがインドで製鉄事業を拡大する。同社は東部のオリッサ州で進めている一貫製鉄所(年産1200万トン規模)の建設プロジェクトに続き、南西部のカルナタカ州にも年産600万トンの製鉄所建設を進める構想だ。インドの鉄鋼市場は原材料を確保しやすいうえ、成長速度も中国に次いで速いため、インドでの事業拡大は同社に多くのメリットをもたらすと見られる。

 ポスコは最近、カルナタカ州政府に製鉄所運営のための投資提案書を提出した。カルナタカ州はポスコの提案を基本的に承認しており、今後の協議で詳細を詰める方針だ。早ければ6月には製鉄所建設に関するMOU(了解覚書)を交わした後、製鉄所建設に約72億㌦を投資する案を検討している。

 完工は3~4年後の予定で、オリッサ州に建設する製鉄所と合わせると、インドでの生産規模は年産1800万㌧となり、韓国での生産能力(3200万㌧)と合わせると5000万㌧以上に拡大する見込みだ。鉄鋼メーカーとしての生産ランクも現在の4位から、世界最大手のアルセロールミタル(年産1億㌧)に次ぐ世界2位に浮上する見込みだ。

 一方、アルセロールミタルもポスコと同様、カルナタカ州に70億㌦を投じて年産600万㌧規模の製鉄所を建設する方針とされる。同社もオリッサ州に投資しており、インドの2地域で両者の正面対決が避けられない状況になっている。

 ポスコのインドへの事業投資は、オリッサ州製鉄所への投資額(120億㌦)と合わせ、約200億㌦に達する見込み。同社関係者は「昨年末、カルナタカ州政府は現地の鉄鉱石を輸出する代わりに、ポスコとアルセロールミタルに製鉄所建設を要請している」と述べ、「まだ投資規模や時期については何も決まっていない」と説明した。

 このような流れのなかで、3年半前から進めているオリッサ州での製鉄所建設が加速しそうだ。最近、製鉄所建設用地の土地用途変更手続きが終了し、合計1428万平方㍍の建設用地が確保できる見通しが立った。インド連邦政府も昨年末、オリッサ州内の製鉄所建設予定地を山林用途から産業用途に変更することを承認した。ポスコは今後、建設予定地内の住民と転居に関する交渉を本格化させるとともに、基礎工事やインフラ整備に着手する方針だ。

 鄭俊陽(チョン・ジュニャン)・ポスコ会長も昨年9月に続き今月末にインドを再訪問する予定だ。インドのマンモハン・シン首相と会談し、投資に関連した鉱権及び探査権の確保、建設用地の整備、着工時期などについて協議する。