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2012/09/21

<韓国経済>サムスン電子、中国・西安に半導体工場着工

  • サムスン電子、中国・西安に半導体工場着工

    中国・西安市で行われたサムスン電子の半導体工場着工式。右端が権五鉉副会長

 サムスン電子がこのほど中国・陝西省西安市に半導体工場を着工した。来年末まで計70億ドルを投資し、2014完工予定。月間10万枚の10ナノ(ナノは10億分の1)級NANDフラッシュメモリーを生産できる大型工場となる。投資額70億ドルは、サムスンの単一の海外プロジェクトとしては最大規模。中国が改革・開放後に誘致した投資の中でも最も大きい。

 起工式には、サムスン電子の権五鉉(クォン・オヒョン)副会長、中国サムスンの張元基(チャン・ウォンギ)社長、趙楽際・陝西省書記、趙正永・陝西省長らが参加した。

 権・副会長は、着工の理由について「中国で電子製品を生産している顧客会社が、現地の半導体工場の建設を求めていた。中国では、世界のパソコンの80%、携帯電話の50%が生産されている。内需市場も成長しており、先制的に攻略する必要がある」と説明した。

 中国政府が西部大開発を進めるなか、多くの企業が西部に移動している。そのため、サムスンも西部を選んだという。西安は豊富な人的資源を有するうえ、陝西省と西安市政府が誘致に積極的だった。半導体事業は時間との戦いであり、認許可が遅れれば大きな損害を出す。陝西省政府は今年4月にサムスンとMOU(了解覚書)を締結後、半年足らずで協約式を締結した。

 工場が稼働しても、サムスン電子のシェアはさほど変わらない見通しだ。競争企業もサムスンと同様の投資を行うと見られているためだ。西安工場の半導体の大部分は、中国にある完成品工場に供給される予定。

 中国政府が今回の事業でサムスン電子に破格的なインセンティブを提供したといわれる。これについて権副会長は、「中国法で受けられる限りの支援を受けた。工場の建設許可で時間を大幅に短縮できたが、財政的支援を受けてはいない」と語った。

 サムスン電子の今回の投資は、長期的に300億㌦に達すると現地メディアは報じているが、サムスン側は「購入した用地にどれだけの工場を建てられるかを数字に換算したようだ。市場が好調であれば多く建てられるが、未来の投資計画は定まっていない」としている。

 サムスン電子関係者は「サムスン電子のみならず、160の協力会社が西安に進出する。サムスン電子の2000人をはじめ、1万3000余人の雇用創出効果がある」と話した。