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2016/09/09

<韓国経済>韓進海運、経営破綻の影響広がる

  • 韓進海運、経営破綻の影響広がる

    海上で待機する韓進海運船舶

 韓国最大手、世界7位の海運会社、韓進海運の経営破綻の影響が予想外の広がりを見せている。法定管理(会社更生法に相当)申請の情報が伝わった先月末から世界の主要港で同社の船舶の荷役拒否が相次ぐなど「物流混乱」が深刻化。5日現在、保有船舶141隻中、79隻(コンテナ船61隻、バラ積み船18隻)が出入港できず、足止めされている。海上で待機する漂流状態に韓進海運労組は「船員らの生存権が脅かされている」と国家レベルの支援を求めている。影響は輸出企業にまで及んでおり、政府は急遽、官庁合同で「コントロールタワー」を設け、足止め解除など対策を急いでいる。

 韓進海運船舶に対して出入港を禁止したり、荷役関連企業などが未払い代金の支払いを求めるなどの理由で作業を拒否しているからだ。こうした港湾は、日本、米国、中国、スペイン、シンガポール、ドイツ、オーストラリアなど23カ国・44カ所に達する。韓進海運の船で輸出品を運送していた輸出企業にまで影響が及んでいる。特にシアトルからロングビーチに至るまで米西海岸では韓進海運の貨物輸送が全面ストップしている状態だ。

 政府は5日、金栄錫・海洋水産部長官の主宰で企画財政部、外交部など9官庁が参加する中で会議を開き対策をまとめた。海洋水産部で運営していた非常対応班を関係部署が参加する「合同対策タスクフォース」に拡大した。当面は足止めを解除することが急務で、韓進海運の船が入港できるよう海外港湾の相手国政府やターミナルとの協議に着手した。


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