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2003/08/29

<総合>外換銀行 ローンスターに売却

 外換銀行が米国系投資ファンド、ローンスターに売却される。外換銀行とローンスターは27日、既存の大株主、輸出入銀行とコメルツ銀行が保有している優先株5698万株と来月に発行する新株2億6870余万株の合計3億2000余万株を1兆3850億ウオン売却する内容の契約を結んだ。これで、長い歴史を誇る外換銀行は外国系銀行として生まれる変わり、攻撃的経営が展開されそうだ。

 優先株(議決権のない株)の売却価格は1株当たり5400ウオン(総額3100億ウオン)。この株は輸出入銀行とコメルツ銀行が買い入れた1株5000ウオンより割増で、年末には普通株に転換できるオプション付きだ。新株は1株4000ウオンで買い入れる。ローンスターは9月中に現金で払い込む。

 これによってローンスターは、持ち株比率51%の最大株主の地位を確保、経営権を掌握することになる。外国の金融資本が国内市中銀行の資本と経営権を同時に握るのは、第一銀行を買収したニューブリッジキャピタルに次いで2度目だ。外換銀行は、新株発行による1兆750億ウオンの資本増強で納入資本金は3兆1946億ウオンに増え、BIS(国際決済銀行)基準の自己資本比率は現在の9・5%から12%台に高まり、財務構造は画期的に改善される。金融関係者は「不良の噂が絶えず市場シェアも継続的に低下している現状を打開、優良銀行へ生まれ変わる転機をつくった」と指摘した。

 今後の経営展開について、外換銀行関係者は、「この間、BIS比率を維持しようと営業規模を過度に縮小してきた。収益を逃さないためには、今後拡張的な営業戦略を採択しなければならない」と述べた。経営陣は全面改編される可能性が高い。ローンスター関係者は、「ファンドが銀行を経営する能力があるのかという問いがあるが、銀行は経営陣が運営するものであり、韓国のどの銀行と比べても遜色のない最高の経営陣を構想している」と明らかにした。


◆ ローンスターとは

 本社は米テキサス州のダラス。IMFや世界銀行など国際金融機関、年金基金、大学基金、保険会社、銀行持ち株会社、テキサス石油財閥などが主要投資家のファンド。ソウルを含む世界11都市に事務所を設置、700人の専門家が120億㌦に達する資産を運用。ソウル銀行、朝興銀行の買収戦に参加するなど韓国での銀行業進出に強い意欲を示していた。