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2009/05/29

<総合>今後の韓国経済支える・62のスターブランド集中育成

  • 今後の韓国経済支える・62のスターブランド集中育成

    新成長動力博で人間ロボット「マル」と握手する韓昇洙国務総理

 政府は26日、李明博大統領主宰で財政戦略会議を開き、「新成長動力総合推進計画」を確定、今後5年間に24兆5000億ウォンを投入することを決めた。計画では、韓国経済の成長牽引車の役割を担うグリーン技術、先端融合、高付加価値サービスの3大産業分野で、海洋バイオエネルギーやライフケアロボットなど62のスターブランドを育成する。知識経済部関係者は、「スターブランドは今後10年内に新市場を創出する可能性が高い分野から選んだ。今後、これに関連する1214の核心技術に対する研究開発に財政支援を集中する方針だ」と説明した。
 
 今回の総合推進計画は、今年1月に樹立した新成長動力基本計画をもとに知識経済部など11部署が4ヵ月の作業の末、具体化したもの。民間の意向を全面的に取り入れたのが特徴だ。総花的ではあるが、半導体や造船のような花形産業として成長すれば、韓国経済の飛躍も期待できる。

 その鍵を握るのが62のスターブランド。まずグリーン技術産業で、海洋バイオのほか、太陽電池、燃料電池、二酸化炭素貯蔵プラント、スマート上水道、先端グリーン技術を駆使したユビキタス都市などが選ばれた。特に注目を引くのがスマート上水道。これは、膜ろ過システムを利用した浄水処理システムとIT(情報技術)を結合、高品質の飲料水を家庭に供給する次世代上水道システムだ。

 先端融合産業分野では、次世代融合ネットワーク、超軽量マグネシウム素材などの新素材、ITを融合した知能型グリーンカー、バイオ医薬品などが選定されたが、特に注目されるのが未来の需要急増が予想されるロボット。日常生活や家事労働を支援するヘルスケアロボット、先端融合産業の基盤となるロボット、医療サービス用ロボット、公共サービス用ロボットなど多様だ。

 高付加価値サービス産業では、次世代映像・ニューメディア、知能型インターフェイスのほかグローバルヘルスケアも選定された。現在、海外からの患者数は年間3万人に満たない。これはタイの154万人はおろかシンガポールの46万人にも及ばない。韓国の医療技術、病院施設は決してこれらの国に劣らないが、認知度、アクセス、事後管理などが不十分だった。今後病院サービスを改善し、5年後には20万人の海外患者を誘致する計画だ。

 政府はまた、このような新成長動力産業をリードする人材を今後10年間に70万人育成するとともに、今後5年間に新成長動力を支える輸出額5000万㌦以上の中小企業300社を育成する計画だ。政府は、今回の事業が成功すれば、付加価値生産額は08年の116兆ウォンから2018年には576兆ウォンに増大し、226万人の雇用が創出されるとはじいている。

 韓昇洙国務総理は、「20世紀型産業パラダイムではこれ以上成長と発展が困難な状況。低炭素グリーン成長のための産業構造に転換し、これに適した成長動力の発掘・育成がなされなければならない」と強調した。これらの事業のためには、政府財政以外に民間投資が欠かせない。政府試算では民間部門から70兆ウォンの投資が必要という。事業の成敗は民間の意欲にもかかっている。