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2003/10/03

<在日社会>文化祭シーズン 韓日交流考える企画続々

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    東京スクールオブミュージックに通う韓日の学生がともに作り上げた骨髄移植推進キャンペーンみゅーじかる「明日への扉」

 文化祭の季節がやってきた。昨年のサッカー・ワールドカップの韓日共催、最近の韓国ドラマや映画ブームなどを受けて、各地の高校、大学では韓国関係の模擬店、出し物、劇、講演会などを企画する学校が増えている。各地の表情を追った。

 韓国に最も近い九州では、九州産業大学が10月31日から11月3日まで大学祭(香椎祭)を行う。同大学は国際交流に力を入れており、現在約560人の外国人留学生が学んでいる。そのうち韓国人留学生は26人在籍している。

 また海外6カ国15大学と国際交流ネットワークを結んでおり、韓国は大田市にある忠南大学校経商大学、ソウル市の中央大学、蔚山市の蔚山大学校デザイン大学、釜山市の東西大学校デザイン学部、ソウル市の東国大学校と交流協定を結び、交換留学も行っている。

 大学祭では韓国人留学生による模擬店、韓国文化紹介イベントなどを開催、韓日交流に一役買う。

 2001年4月、大分県別府市に開学した立命館アジア太平洋大学には、留学生1635人(韓国人385人)、日本人学生2128人が通う。アジア地域の留学生受け入れに力を入れて運営しており、大学祭も国際色豊かに開かれる。昨年はW杯開催を受けて、韓日文化交流をメインとした大学祭となったが、今年も21世紀の韓日交流のあり方を考えるシンポジウム、文化イベントが企画されている。開催日は11月8、9日。

 東京大学駒場祭は、11月22日から24日の3日間開かれる。北朝鮮の日本人拉致事件を契機に、過熱ともいえる北報道が続く中、日本がどういう韓国、北朝鮮観を持ってきたのか問い直すシンポジウムを開催予定で、現在学者を中心に人選を進めている。

 朝鮮語学科のある東京外語大学では、第81回外語祭が11月20日から24日まで開かれる。例年通り朝鮮語学科の1年生が韓国料理の模擬店を、2年生が朝鮮語による劇を上演する予定で、現在、劇の練習に余念がない。

 韓国語学科のある神田外語大学は今月25、26の両日、大学祭を行う。民族衣装の展示会、屋台などにより韓国文化を伝える。大阪外語大学は11月7日から9日までが大学祭で、朝鮮語学科の学生による出し物が企画中だ。

 韓国人留学生が多数在籍する東京スクールオブミュージック専門学校は、毎年恒例のイベントとして、骨髄移植推進キャンペーンミュージカル「明日への扉」を、韓日学生が力を合わせて制作・上演する。今年は11月10、11日の両日、東京のメルパルクホールで上演。その後、大阪、福岡などでも公演する。

 韓国との交流を30年近く行ってきた細田学園高等学校は、9月28日に文化祭(白梅祭)を開催した。韓国を知ろうをテーマに、様々な角度から韓国に触れる催しを行い、東京の韓国学園にも賛助出演してもらった。
 同校の細田校長は、「韓国観光地の紹介を各クラスで行った、韓国文化研究部はウ長春氏を取り上げた。また同校のある埼玉県志木市は渡来人とゆかりが深く、地元研究も発表された。韓国学園の出し物も評判よかった。韓国を積極的に取り上げたい」と話す。