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2005/11/11

<在日社会>在日世界韓人商工人連合会が発足

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    発足式であいさつする韓昌祐・世界韓人商工人総連合会会長

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    あいさつする会長団。金建治会長(左から2人目)と金信夫、金元栄、金政郁、金一雄(左から)の各副会長

 海外同胞商工人とのネットワーク構築をめざし「在日世界韓人商工人連合会」が8日発足した。この日、関係者約100人が出席して、東京の在日韓国YMCAアジア青少年センターで発会式を開き、会長に金建治・前在日韓国商工会議所会長を選出した。12年前に韓国で設立された世界韓人商工人総連合会(韓昌祐会長・写真=上中央)の日本本部の役割を担うことになる。

 発会式には、各地の商工人有志のほか、韓国からウリ党、ハンナラ党、民主党など与野党国会議員8人、米国など海外同胞商工人、在日同胞貿易人らが参加した。

 新しい在日商工人組織は2年ほど前から構想されていたという。来賓あいさつにたった韓昌祐会長は、「韓民族共同体としてのネットワークづくりが切実だった。海外同胞の二重国籍や選挙権付与問題が浮上してきており、世界にいる韓民族の力を反映するうえで時期的にも非常に重要だ」と述べ、「目は常に世界をみながら、熱い心は祖国にある」と新組織にかける思いを表現した。

 韓氏と共に世界韓人商工人総連合会を組織した金徳龍理事長(ハンナラ党議員)は、1919年の独立運動の先駆けとなった2・8運動ゆかりの建物で同胞の新組織が発足するのは意義深い。在日の力があったからこそ祖国がある。先進化した統一祖国への役割を期待したい」と激励した。

 初代会長に選ばれた金建治氏は、「大変光栄だ。全力を傾けたい」と決意を表明した。当面は世界各地で日本でのような組織づくりを支援し、来秋に韓国で韓人商工人の世界大会を開催する方針だ。

今後、新組織がめざす①世界韓人商工人総連合会とのネットワーク構築②母国と在日社会発展への寄与――に向けどう具体的に活動を展開するのかが注目される。

 役員は、金建治会長(写真下=左から2人目)ほか、顧問に韓昌祐、陳東徹ら6氏、副会長に金元栄(京都・写真下=中央)、金信夫(福岡・写真下=左)、金一雄(栃木・写真下=右)、金政郁(宮城・写真下=右から2人目)の4氏、常任理事に李鍾善、金昭夫ら6氏、監事、専務理事、事務局長で構成されている。

◇「在日韓商とは切磋琢磨の関係に」――韓昌祐氏◇

 発会式後に記者会見では、既存の在日韓国商工会議所(崔鐘太会長)との関係に質問が集中した。

 新組織の顧問になった韓昌祐氏は、「商売でも政治、経済でも、よきライバルがいて切磋琢磨すれば発展する。一つの団体があぐらをかいていてはダメだ。特に、同胞社会に迷惑をかけたり、不利益をもたらした人がトップにいるのはおかしい。組織のカネ3000万円を無断で使った人が幹部にいるのはなおさらだ」と述べ、「本会では在日社会に迷惑をかけていない人、貢献したい人だけを厳正に選びたい」と強調した。

 在日韓国商工会議所側は、「世界韓人商工人総連合会に協力するとともに、日本地域の友好団体としての役割を果たす決意である」として、「あえて日本での組織を発会することは在日同胞社会の分裂・混乱を招来するので、必要ない」と新組織結成の中止を求めていた。「在日商工社会を二分する分派行為」とする見方だ。

 このような批判に対して、金建治会長は、「私が韓商の会長だった2年前から海外韓人ネット強化のため構想していたもので、破壊・分裂活動という非難は当たらない」と反論。

 栃木韓商の現職の会長で、今回の新組織の副会長に就いた金一雄氏は、「崔会長からボイコットするように言われたが、結局、個人参加ならいいということでOKになった」と述べ、両組織は併存しうるとの考えを示した。