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2005/09/02

<在日社会>衆院選・各政党に本紙アンケート

 第44回衆議院選挙が8月30日に公示され、9月11日の投開票に向けて12日間の選挙戦がスタートした。本紙では在日韓国人の人権、韓国、中国との関係、歴史問題などについて各政党にアンケート調査を行った。民主党、公明党、共産党、社民党から回答があり、国民新党、新党日本は「今回は無理」との返答だった。自民党は「選挙後に正式回答を行う」とのことだったが、答えられる範囲で党政務調査部からコメントを受け取った。

 各政党に6項目に分けてアンケート調査した。

 参政権問題については、公明、民主、共産、社民とも地方選挙権については賛成だが、国政は次の段階として検討が多かった。日本国籍取得問題についても、「論点を整理しながら対応」(民主)など各党とも検討課題としている。この2点に関しては温度差が目立った。

 在日外国人は国民年金に加入が認められなかった時代(82年の難民条約の批准で国籍要件が撤廃される前)があったため、在日韓国人の無年金問題が深刻になっている。これについては各党とも対応の必要性について語っている。民主党は「福祉政策全体の中で対応」とし、社民党も基本的に同意見。共産党は「日本に一定年数以上居住したすべての人を対象に、最低保障年金制度を創設」することを提案。

 地方公務員採用時の国籍条項問題については、「基本的に地方自治体が独自に決定すべき」(民主)、「住民の合意を尊重しながら地方自治体ごとに決めていくべき」(共産)など、自治体にゆだねるべきと回答。社民党は、「そもそも地方公務員法に国籍条項はない」として、「国籍にかかわらず優秀な人材を確保することは、地方分権時代に対応できる職員を育てる上でも必要不可欠」としている。

 歴史問題については、民主党は「歴史的事実の真相究明を進めるための『恒久平和調査局』を国会図書館に設置する」必要性を強調し、韓日条約文書の情報公開についても、現行の情報公開法の問題点を改め、情報公開法改正案を提出し、その中で公開を求めていくとしている。社民党は「歴史問題について各国政府が公的な立場で正面から議論し、共通の認識を持つ努力をすべき」としている。外交文書の公開も当然と回答している。

 韓日FTA、東アジア共同体については、民主党は「FTAの推進と東アジア共同体の構築が重要であり、将来的にはアジア、太平洋を含む地域全体に拡大・発展させることを展望する」としている。

 共産党は韓日のイニシアチブと両国国民による検討、社民党は「安全保障問題での統合を先行すること」としている。


※詳細は本紙9/2号をご覧ください。