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2009/11/20

<在日社会>韓国の外国人115万人時代・多文化社会の促進を

  • 韓国の外国人115万人時代・多文化社会の促進を

          外国人移民の子どもを題材にした映画『セリとハル』

 韓国に居住する外国人が115万人と、人口の2%を占めるまでになり、韓国生まれの外国籍の子どもたちも急増している。韓国内では多文化社会を促進すべきとの声が強まり、韓国在住の外国人とその子どもをテーマにした映画、ドラマなども、この数年作られるようになっている。

韓国に居住する外国人は約115万人(2009年9月現在、韓国法務部調査)で、2000年の49万人より2倍以上増加している。昨年と比べても約25%の増加と急増している。その内訳を見ると、国籍別では中国約63万人(うち朝鮮族約45万人)、東南アジア約24万人、米国約6万人となっている。

 9月末現在の在韓外国人留学生は約8万2000人となり、03年の9700人から8・5倍と急増している。外国人労働者も大きく増えて、9月末現在で約55万人の外国人労働者が韓国で生活している。 結婚移民者は約13万人、外国人居住者の子どもは約11万人だ。

 90年代に入り、就労や結婚で中国朝鮮族が流入し、合わせて工事現場などに東南アジアから労働者が来るようになった。また最近では、ベトナム、フィリピンなどの女性がお見合いツアーなどで来るケースが増えている。

 外国人移民の急増に伴い、外国人移民に対する人権侵害、また不法滞在など問題が山積し、韓国社会の開放度を広めようとの声が起きている。

 現代経済研究院はこのほど、「外国人留学生や移住労働者、国際カップルが増えたが、韓国社会の包容力が足りずに副作用が起きている」と指摘した。スイスの国際経営開発院(IMD)が調査した韓国の外国文化の開放度の順位を見ても、57カ国中56位だった。

 韓国では市民団体や教会関係者を中心に支援を行っている。また『セリとハル』『バンドゥビ』など外国人労働者とその子どもをテーマにした映画や、テレビドラマでは国際結婚を取り上げた『黄金の新婦』などが作られている。『バンドゥビ』は、21日に都内で始まる「韓国映画ショーケース2009」で上映が予定され、『黄金の新婦』は、BS朝日で放送中だ。

 先日、東京の上智大で開かれた第1回移民映画祭では、『セリとハル』が上映され、石坂浩一・立教大学准教授が講演し、「韓国、日本、そして世界の移民労働者について理解を深めよう」と訴えた。