ここから本文です

2011/07/08

<在日社会>チャイコフスキー国際コンクール・快挙、韓国人5人入賞

  • チャイコフスキー国際コンクール・快挙、韓国人5人入賞

    (左から)ソ・ソニョン、パク・ジョンミン、孫ヨルム、趙成珍、イ・ジヘさん

 世界3大音楽コンクールの一つ、第14回チャイコフスキー国際コンクールがこのほどロシアで行われ、声楽部門で男女そろって優勝。またピアノ部門で2、3位、バイオリン部門で3位入賞と、入賞者19人中韓国人5人が入賞する快挙を果たした。

 男女声楽部門では、バスのパク・ジョンミンさん(24)とソプラノのソ・ソニョンさん(27)がそろって1位。コンクールの花形ピアノ部門では、孫ヨルムさん(25)と高校生の趙成珍さん(17)が2位と3位に入った。またバイオリン部門でイ・ジヘさん(25)が3位入賞を果たした。

 同コンクールは1958年に創設され、これまで、世界的指揮者でピアニストでもある鄭明勳さん(米国籍)が第5回(74年)ピアノ部門で2位、第9回(90年)声楽男声部門ではチェ・ヒョンスさん(米国籍)が優勝。94年ピアノ部門でハエ=スン・パイクさんが3位、02年にはキム・ドンソプさんが声楽男声3位に入っている。

 今回、開催国ロシア人が4人入賞で、それ以上の5人が入賞したのは画期的な出来事だ。5人は、いずれも韓国芸術総合学校やソウル芸術高校などの在学生または出身者であり、特に高校生の趙成珍さんは海外留学の経験がないことなどから、韓国クラシック音楽教育の水準が世界レベルに向上したものと高く評価されている。韓国芸術総合学校は、「国内で英才を育成して世界に送り出す」ことを目標に、第一線で活躍する優秀な教師・講師をそろえ、実技に力を入れる教育を行ってきたが、それが功を奏したとの声もある。

 韓国では、「韓国映画、ドラマ、K-POPに続き、クラシックも韓流の時代がやってきた」「鄭明勳氏が2位入賞した時は、金浦国際空港からソウル市庁までオープンカーでパレードが行われたほどだった。それを思うと、5人入賞は夢のようだ」などの声があがった。音楽界でも韓国が世界を席巻する時代が近づきつつあるようだ。