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2014/09/26

<在日社会>韓国の国民的画家、李仲燮(イ・ジュンソプ)と日本人妻の愛描く

  • 韓国の国民的画家、李仲燮(イ・ジュンソプ)と日本人妻の愛描く①

    李仲燮の妻・山本方子さん(映画より)

  • 韓国の国民的画家、李仲燮(イ・ジュンソプ)と日本人妻の愛描く②

    中央右が李仲燮役の藤原章寛さん

 韓国の国民的画家で教科書にも載っている李仲燮と、その妻である日本人女性、山本方子さんをテーマにしたドキュメンタリー映画、演劇が相次いで公開される。国境を超えた愛の物語を通して、両国の友好を訴える企画だ。

 映画『ふたつの祖国、ひとつの愛~イ・ジュンソプの妻~』(酒井充子監督)は、都内在住の山本方子さん(92)へのインタビュー、李仲燮の足跡、二人の交わした手紙で構成される。

 李は1916年9月、日本統治下の韓半島平安南道で裕福な農家の次男として生まれた。1936年、東京の帝国美術学校(現・武蔵野美術大学)に入学。文化学院美術部に移り、方子さんと出会う。1943年、ソウルでの美術展のために帰国するが、戦況が悪化し日本に戻れなくなる。

 李は、方子さんを呼び寄せて結婚。韓国戦争の戦火を避けて済州島へ移り住むも妻子の健康上の問題から、52年家族を日本へ送る。55年アジアの芸術家として初めてニューヨーク近代美術館に作品が所蔵される。精神面で変調をきたし、体力も衰弱して、56年9月6日、息を引き取った。


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