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2000/07/21

<総合>韓国車の生産好調 今年300万台突破へ

 韓国の自動車生産台数が今年、景気回復と輸出好調で史上初の300万台突破が確実となった。韓国自動車産業研究所が発表した「2000年、2001年の国内自動車産業展望」と題する報告書によると、今年の国内需要は前年比14・1%増の145万2000台、輸出も16・6%増の170万台を記録、総生産台数は315万2000台と300万台の大台に乗ると予測した。2001年にはさらに増大、343万台に達すると見ている。

 韓国車の生産は、97年に年間280万台に達したが、IMF危機により98年には200万台を下回った。99年に284万台にまで回復、この好調が持続して今年は300万台の大台突破が確実となった。このような上昇カーブは、各メーカーが相次いで新車を発表したのに加え、レジャー用のRV車が人気を博し、販売が急増したと分析されている。

 今年の国内市場をみると、景気回復をよく反映している。商用車は前年に比べ7・7%増の39万台が予想されているが、乗用車は同16・6%増の106万2000台に達する見込みで、乗用車の伸びが特に目立っている。

 一方の輸出は内需以上に好調だ。昨年商用車12万台、乗用車139万台で初めて150万台の輸出を達成したが、今年はさらにこれを上回る170万台を予想している。これは米国と欧州向けの輸出好調が大きい。特に、ノックダウン(現地生産)方式の輸出31万台を加えれば輸出だけで200万台突破となる。

 このような自動車業界の好調は来年にも持続する見通しだ。来年には液化石油ガス(LPG)価格の引き上げでRV需要がやや鈍化する悲観的な材料はある。だが、全般的に景気回復基調が続き、工場稼働率も今年の76・5%から来年には85・8%に高まる見通しだ。ちなみに99年の稼働率は68・7%だった。特に、海外売却される大宇自動車とサムスン自動車の正常化が期待でき、国内メーカー間の競争激化が内需市場を刺激、8・8%増の158万台を予測している。輸出も欧米向けの好調が続き、今年より14万台多い184万台を予想している。