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2001/10/05

<総合>東京で韓国映画に大注目

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    東京映画でグランプリを狙う「春の日は過ぎゆく」。韓国で大ヒットした韓日合作の話題作だ

 今秋、東京は韓国映画の公開ラッシュとなりそうだ。第14回東京国際映画祭(10月27日―11月4日)で9本、同映画祭協賛企画の「東京国際ファンタスティック映画祭」で2本、「東京国際女性映画祭」で1本、「コリアンシネマウィーク」で6本の計18本、「新作家主義国際映画祭・第2回東京フィルメックス」(11月18日―26日)では4本が上映される。特に「コリアンシネマウィーク」は、日本での韓国映画公開を促進するためのバイヤー向け上映といえるもので、その成否が注目される。

 東京国際映画祭はメインとなるコンペティション部門に、韓日共同製作で若者と年上の女性の恋愛を描いた『春の日は過ぎゆく』(許秦豪監督)が出品、世界各国の秀作13本と「東京グランプリ」を争う。

 アジア映画の秀作を競うシネマプリズム部門には、混乱のアジアを舞台にした近未来SF映画『バタフライ』(ムン・ソンウク監督)、心に傷を持つ10代の少年少女を主人公にした『ティアーズ』(イム・サンス監督)などの短編映画6本が上映される。

 また、同映画祭協賛企画として開かれる「コリアン・シネマ・ウィーク」では、『新羅の月夜』『猟奇的な彼女』『鳥肌』など韓国映画の新作6本が特別上映される。映画関係者に中心的に見てもらい、韓国映画の買い付けを促進させるのが狙いで、そのために韓国文化院と映画振興会で特別予算を割き、日本語字幕を完成させた。

 金鍾文・韓国文化院長は「韓国映画見本市を開きたい」と常々話し、映画振興会との打ち合わせに力を注いできたが、それが実現した形だ。

 ほかにファンタスティック映画祭では消防士の活躍を描いた『リベラ・メ』(ヤン・ユノ監督)と『バンジージャンプする』(金デスン監督)、女性映画祭では『OnTheWay』(崔在銀監督)が上映される。また「韓国の映画産業振興政策」と題したパネルディスカッションも予定。

 作家性の強い映画を紹介・支援するために昨年から始められた東京フィルメックスでは、特別招待作品として『武士』(金ソンス監督)を上映する。現在韓国で大ヒット中の作品で、中国の砂漠に流刑された高麗の兵士を主人公にした製作費50億ウオンを投じた歴史大作。

 アジアの新進作家を紹介するコンペティション部門には『受取人不明』(金基徳監督)、など3作品を出品。同映画祭は審査委員に、韓国の著名な映画評論家で映画雑誌「キノ」編集長を務める李涓好さんが加わっている。