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2001/01/26

<総合>韓日空の足に4路線追加

 大交流時代を迎えて、韓日の空の足がまた一段と拡大することになる。昨年12月の韓日航空会談の合意を受けて、今年ソウルと日本の地方都市を結ぶ4つの韓日定期路線が開設する見通しだ。

 その先頭を切って、ソウルー米子(鳥取県)路線が週3便で今春開設することが最近決まり、山陰初の国際空港への衣替えが進められている。また、ソウルー宮崎路線は6月をメドに開設準備に入った。乗り入れるはともにアシアナ航空。さらに秋田は大韓航空の乗り入が決まれば6月就航も可能と期待している。近隣の米子に先を越された出雲(島根県)も、大韓航空を念頭にソウル就航実現をめざしているが、こちらはやや不透明だ。この4路線が新たに開設されれば、韓日路線は計31に増える。

 ソウル―米子路線は、鳥取県の6年越しの夢だった。山陰初の国際線となるだけに、地元の意気込みは大変なもので、米子空港(境港市)では2階に新たに出国検査所を設けるなど3億円をかけた改修工事が本格化している。完成は3月19日の予定。

 韓国政府から今回の路線配定を受けたアシアナ航空では、日本側のCIQ(税関・出入国管理・検疫)当局、米子空港を管理する防衛庁との間で運航スケジュールを調整、便数・ダイヤや運航開始時期など具体的な運航申請を行う。日本の国土交通省の許可を得て、3月下旬か4月下旬に就航する予定だ。

 片山善博知事は、この航空路開設について「地域住民はソウルを経由し、中国やロシアへも行けるようになり利点が大きい」と述べ、「行政・経済分野を越えて21世紀を担う子供の交流に特に力を入れたい」と強調した。

 韓日間の交流拡大が期待されるが、集客など課題もある。ソウル路線の採算ラインは年間1万5000人と試算されており、昨年実績ではこれに満たない。県では韓国からの観光客受け入れ態勢も急いでいるが、19世紀に鳥取県近海で漂流していた船員12人が救助され温かいもてなしを受けるなど韓日交流の足跡も少なくないので、これらの歴史遺跡の整備にも取り組んでいる。

 一方、国際定期路線開設を目指して激しい競争を展開してきた隣県の島根では、ライバルの鳥取県に先をこされたことに落胆の色は隠せない。第2弾の大韓航空の就航に望みをつなでいるが、人口規模からみて両県で1国際空港が妥当だという指摘もあり、年内にソウル路線が開設されるかどうかは未知数だ。ただ、「これまで出雲からはたくさんのチャーター便がソウルに飛んだ実績があり、最大週3便なので別の曜日に飛ばせば十分可能性がある」という指摘もある。

 米子とともにソウル路線開設が決まった宮崎では、松形知事が「県民待望の国際定期便であり、一日も早い運航開始へ向け調整をすすめたい」と6月就航に期待を表明した。また、ほぼ大韓航空の乗り入れが決まった秋田では、10年越しの運動が実るだけに寺田典城知事らはこの問題で特別記者会見をもち、「日本海の韓国の玄関口になりたい」と期待を表明していた。

 昨年の12月の航空会談では、過去の実績などを考慮、ソウル・金浦空港と日本の秋田、米子、出雲、宮崎の4空港を結ぶ定期路線開設に合意した。160人乗り規模で週最大3便(往復)が条件となっている。