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2005/09/16

<総合>盧大統領の首脳外交・中米8カ国にIT協力

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    SICA(中米統合機構)首脳会議を終え、記者会見する盧武鉉大統領(右端)と中米各国首脳(コスタリカのサンホセにある中米経営大学校)

 盧武鉉大統領は16日、8日からのメキシコ、コスタリカの中米2カ国国賓訪問と14日からの国連創設60周年記念特別首脳サミット参加を終え、帰国の途につく。メキシコではビセンディ・ボックス大統領との首脳会談で貿易・投資増大のため戦略的経済補完協定(SECA)の早期締結に合意した。コスタリカでは中米統合体(SICA)加盟の8カ国首脳と第2回韓国・SICA(「1+8」)首脳会談をもち、貿易・投資拡大などを盛った共同宣言文を採択した。特に韓国は、中米各国の5大事業に9400万ドルの借款供与の検討に入った。

 コスタリカで13日未明(韓国時間)行われたSICAとの首脳会談で両側首は、盧大統領は中米経済統合銀行(CABEI)に加盟したい考えを表明。「米州開発銀行とともに同行が韓国と中米の経済協力強化とともに、韓国企業の中米進出に重要な役割を果たすことになるだろう」と力説した。これに対してSICA首脳たちは韓国の加盟は中米経済発展に大いに貢献すると歓迎した。

 SICAは、結束力はやや劣るが中米版EU(欧州連合)といわれ、来年には米国との自由貿易協定が発効する。韓国は今回の共同宣言文を契機に、SICA待遇での米国進出も期待している。中米8カ国との昨年の貿易額は28億8000万㌦(韓国側が18億2000万㌦の出超)にすぎないが、今後貿易拡大を図ることになりそうだ。 

 盧大統領はまた、コスタリカ、ドミニカ、エルサルバドル、ニカラグア、グァテマラの首脳と個別会談、IT(情報技術)協力などに合意。今後韓国IT企業の中米進出が本格化しそうだ。特にコスタリカのアベル・パチェコ・デ・ラ・エスプリエジャ大統領との首脳会談では、生物資源共同研究センター設立にも合意、バイオ分野での協力も強化することになった。この他にニカラグアの国際空港拡充、グアテマラの教育情報化事業への協力も確認した。

 一方で、メキシコとキューバのIOC(国際オリンピック委員会)委員に2014年冬季五輪の平昌誘致への支援を求めた。同五輪開催地は07年にグアテマラで開かれるIOC総会で決定する。

 メキシコとの首脳会談では、FTA(自由貿易協定)の前段階と位置づけられる戦略的経済補完協定を早期に締結することに合意。さらなる貿易拡大をめざす。

 メキシコはEU、日本などすでに43カ国とFTAを締結、外国製品の市場席巻に次第に警戒論が高まる中、これ以上の締結は困難として2003年11月にFTAモラトリアムを宣言した。このため、韓国は当初めざしていたFTA締結の軌道修正を余儀なくされ、交渉により関税自由化対象を決定できる戦略的経済補完協定方式に変更した。メキシコ側では、「業界の反発を抑えるためのもので、全体品目の90%ほどを開放でき、事実上FTAと変わらないものになるだろう」と説明。

 実際、過去にメキシコはウルグアイとチリとの間絵SECAを経てFTAに移行した前例がある。韓国は昨年、メキシコとの貿易で26億㌦の黒字を計上。
 
◇メキシコでも韓流熱風吹く◇

 メキシコでは宿舎のホテル前に30余人の韓流ファンがプラカードなどを掲げ、ハングルで「大統領、チャンドン、アンジェウクをメキシコにおくって下さい」と書いたプラカードを掲げ平和示威を行った。盧大統領は笑って「分かりました」と伝えた。メキシコには現在4団体・3500人の韓流ファンがいる。
  
 
  SICA 中米統合体は、中央アメリカ国家の経済統合を図り平和・自由・民主主義の達成を目標に1993年2月創設。会員国はグァテマラ、エルサルバドル、コスタリカ、ニカラグア、ホンジュラス、パナマ、ベリーズ、ドミニカ共和国の8カ国。金泳三大統領時代の96年にガァテマラで第1回韓国・SICA首脳会談を開催。