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2005/02/04

<総合>韓国経済トンネル脱出へ

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 不況のトンネルの中にあった韓国経済の先行きに明るさがみえる。特に、ウォン高ドル安が続く中、心配されていた輸出が好調を維持、1月実績も200億㌦を突破した。冷え切った企業の設備投資意欲も回復の兆しをみせ、機械類の輸入増加となって反映されている。不動産取引も、首都圏では住宅価格の上昇現象も起こっており、異常低金利も軌道修正も始まった。株式市場も敏感に反応しており、昨年は700-800台にあった総合株価指数も900台を突破、本格的な上昇カーブを描き始めた。

 韓国の今年最大の課題は「経済回復」であり、「コケコッコー、目を覚ませ韓国経済」のキャプション付きの新年の時事漫画に国民の願いが表現されていた。盧武鉉大統領も経済活性化に最優先順位をおいて取り組む考えを明らかにしている。経済専門家の間には悲観的な予想が多かったが、牽引役の輸出は大方の予想を覆し好調を持続している。

 産業資源部の発表によると、1月の輸出実績は前年同月比18・7%増の225億4000万㌦を記録。輸入は19・2%増の193億1000万㌦だった。これにより、貿易収支黒字は1月としては最大の32億3000万㌦となった。

 品目別輸出増加率をみると、自動車(76%)、鉄鋼(43・8%)、石油化学(43・6%)が高い伸びをみせ、半導体(26・7%)や無線通信機器(25・1%)なども堅調だった。輸入は機械類(40・5%増)をはじめとする資本財が20・%の高い伸びをみせ、設備投資の回復が期待される。

 冷え切った内需にも動きがある。昨年どん底だった自動車の国内販売が1月、前年同月に比べ6・8%増の8万958台を記録した。携帯電話も1月は164万台に達し、前月より64%増えた。昨年10月、11月の70万台に比べ大幅な増加だ。電話番号を変えずに移動通信サービス会社を代えることができるようになったことが大きい。

 不動産業界でもアパートの売れ残りが解消去れ始めている。大宇建設によると、天安と木浦では1月には前月の2-3倍の分譲契約がなされており、全国で1999年以降最大の7万戸の未分譲状態解消に向かうと期待されている。

 企業の景気回復への期待感も高まっている。韓国銀行が国内2463社を対象に調査した企業景気調査結果によると、1月の製造業業況BIS(景気実査指数)は74を記録、前月(71)より3ポイントアップした。これは昨年6月(78)以来、最も高い数値だ。特に2月の製造業業況展望BISは73で、前月調査時より4ポイント高まっている。

 サムスン経済研究所の鄭求鉉所長は新羅ホテルで先月末開かれたCEOフォーラムで、「本格的な景気回復は今年ではなく来年上半期まで待たなくてはならない」と予測。「来年第2四半期(4-6月)ごろに世界IT景気のサイクルが上昇カーブを描き輸出を促進させ、消費回復もまた名目GDP(国内総生産)比家計負債比率が55%に下がるためだ」と説明した。

 もちろん、本格的な回復基調に入ったとはいえないが、経済実態の動きは今後の期待をのぞかせている。問題は、どこまで内需が回復できるかであり、カード負債や青年失業者問題の早期解決が急がれる。