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2005/01/07

<総合>財界・攻撃的経営で不況脱出

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    ソウルのCOEXで5日開かれた経済界新年会に参加、経済団長らと懇談する盧武鉉大統領

 サムスン、LG、現代・起亜自動車、SKの財閥ビッグ4をはじめとする国内主要大企業グループは、今年を「未来のための積極的な経営の年」と定め、投資を大胆に増やすなど「攻撃経営」で不況を克服をする姿勢を鮮明にした。各財閥総帥たちも、3日一斉に行われた始務式で「困難な時ほど投資を増やし世界的な競争力をつけよう」(李健煕サムスン会長)、「ライバル会社が学びたいと思う一等LGをつくろう」(具本茂LG会長)などと檄を飛ばした。今後、果敢な投資で新産業への進出も活発化する見通しだ。

 今年の各財閥の投資計画をみると、いずれも意欲的で2ケタの伸びを示している。財界トップのサムスンは、日々競争が激化するIT(情報技術)分野で確固とした競争力を確保するため半導体と液晶投資を中心に昨年比15・8%増の21兆2000億ウオンを投資する。特に研究開発費は昨年より1兆ウオン以上多い7兆3000億ウオンに設定。昨年比3%増のグループ売上目標139兆ウオン、経常利益23・3%減予想に比べ投資増大が突出している。

 ソウルの新羅ホテルで行われたサムスンの始務式には900人が参加。李会長あいさつが映像で紹介され、全世界のサムスンマンに流された。李会長は、「本当の一流企業は不況であるほど輝きを増すものだ」と強調した。経営環境の悪化が予想される中、いまや世界ブランドとなったサムスンが今年はまたどんな動きをみせるのかは大きな注目点だ。

 LGは液晶と携帯電話を中心に昨年比17%増の11兆ウオン投資を計画している。LG関係者は「売上も利益も2ケタ増を目標にグループの事業計画を立てている」と語った。汝矣島のツウィンタワーで開かれた始務式で具会長は「研究開発費を世界水準に引き上げるため最高経営陣はさらに果敢に投資をするように」とはっぱをかけ、ホームネットワーク、次世代ディスプレーや高機能フィルムを次世代の成長エンジンとして本格的な先行投資をする計画を明らかにした。

 現代・起亜自動車はソウル良才社屋での始務式で、鄭夢九会長自らが今年度事業計画を発表、売上を17%増の84兆8900億ウオンに、投資は28・8%増の6兆7600億ウオンに大幅拡大すると明らかにした。鄭会長は特に、グローバル水準を超える革新が重要だとして、「環境変化のスピード以上にさらに速く変化しなければならない」と力説した。今年は現代自の米アラバマ工場が稼働入りし、中国現地生産を2008年までに年間60万台に拡充するなど海外展開も本格化する。

 昨年は厳しい経営にさらされ外資の買収脅威もうけたSKは、今年は石油化学や携帯電話で海外戦略を強化する一方、売上と利益は昨年並みを維持する保守的な目標設定をしているが、投資規模だけは大幅に増やし、資源開発、核心力量強化を中心に昨年比12・5%増の4兆5000億ウオンと大幅に増やしている。