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2006/07/14

<総合>韓米FTA第2ラウンド・ソウルで交渉再開

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         交渉前に握手する金宗壎代表(右)とカートラー代表

 第2回韓米FTA(自由貿易協定)交渉が10日からソウルの新羅ホテルで始まったが、市場開放を巡る双方の厳しいやりとりが続いている。13日の交渉で、商品貿易分野で関税の段階的撤廃で一致、5段階に分けて開放交渉を行うことで合意した。また、農産物と繊維分野の譲許案(解放案)を同時交換することでも合意。最終日の14日までにどこまで進展するのかは予断を許さないが、直前をみせた。一方、FTA反対派の動きも活発で、12日には豪雨の中、ソウル市内で大規模集会・デモが行われた。こうした韓米FTA反発世論の高まりに対して、大統領がリーダーシップを発揮して国民説得に努めるべきだとの指摘がなされている。

 今回の第2回交渉に韓国側から金ジョンフン・首席代表をはじめ271人、米国側からウェンディー・カートラー・首席代表ら75人が参加。前回に続き300人を超す大型交渉となった。交渉は16分科委と2作業班に分かれて14日まで続けられているが、商品貿易では大きな枠組みができた。

 今回の5段階交渉合意の内容は、1万を超える品目について、①関税の即時撤廃②3年以内の撤廃③5年以内の撤廃④10年以内の撤廃⑤その他に分けて開放交渉を行うというもの。「その他」の品目は、コメなどセンシティブな品目の開放除外や10年以後の関税引き下げが含まれる。

 交渉に臨む双方の立場は、自国の脆弱産業の開放時期をどれだけ遅らせることができるのかである。米国は繊維などが競争力が弱いが、韓国は農産物など相対的に脆弱品目が多く、米の主張通り一律的に開放時期を早めると苦しくなる。

 今回、この繊維と農業分野について同時に譲許案を交換することになった。これは、韓国としては一括方式をとることで、米国の脆弱な繊維を取引材料にする形で交渉力を強化、農産物の開放を最大限防衛するとの戦略だ。しかし、韓国は米国に対して繊維、衣類分野で関税を5年以内にすべて撤廃するよう要求し、逆に農業分野では開放除外などを求めている。これに対して米国は農業分野の早期開放を要求する一方、繊維の開放時期を遅らせるよう主張しており、先行きは楽観できない。

 前回の交渉で統合協定文が作成されたのは商品、サービス、金融など11分野。農業や繊維などの分野では双方の見解差が大きく、前回の交渉で統合協定文の作成に失敗した。今回は、商品貿易に関して、対象品目の関税引き下げ時期などを明示したリスト作成原則に合意した。また全くの対立状態にあった農業と繊維もリストを交換する形で妥協が図れるまで前進した。

 だが、難題はなお多い。特に、9月から韓国政府が実施する薬価政策を巡っては米国側が強く反発、結局今回は決裂した。韓国の新政策は、効能が認められた新薬であっても、価格に比べ効果が優れている医薬品だけを選別して健康保険適用対象にするというポジティブ方式をとる。これまでは認可された医薬品はほとんど健康保険対象に含むネガティブ方式をとっていた。これに対して、米側は自国製薬業界は不利益を被ると指摘。

 また、自動車分野でも平行線をたどったままだ。米国側は、第1回交渉に続き今回も韓国の自動車税制について、税金を賦課する基準を排気量から価格・燃費基準に変更することを要求。これは米国が大型車で韓国市場を狙っているからだ。韓国側は欧州や日本車の成功事例をあげ、税制が非差別的に運営されている点を強調した。逆に、米側に現行の平均2・5%である自動車関税率の廃止を要求した。

 カートラー代表は、「コメなど農産物についても原則開放を求める」とし、自動車市場についても、「米国で売られている韓国車は年間80万台なのに、韓国で売られている米国車は400台にすぎない」と指摘した。

 今回の交渉で、商品貿易ではお互いの譲許案を交換できるまで具体化した。どのような案になるのか、次回9月3日の第3回交渉まで場外交渉が続くこととなった。