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2007/11/09

<総合>白頭山観光・来年5月から空路で直行

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 来年5月から直行路を利用した白頭山観光が実現する見通しとなった。中国を経由しない白頭山観光は南北分断以来初めてとなる。また、来月初めから開城観光も始まる。北朝鮮訪問を終え帰国した現代グループの玄貞恩会長が北朝鮮当局とのこのような合意内容を明らかにした。今回の合意を受け、早速2泊3日100万ウォンなどの白頭山観光コースが検討されているが、国民も強い関心を寄せている。

 玄会長一行25人は先月30日か4泊5日の日程で北朝鮮を訪問。帰国直後にソウル市内の本社で記者会見を開き、「先月の南北頂上会談での合意に沿って、白頭山観光を来年5月から実施することを定めた合意書を、朝鮮アジア太平洋平和委員会と交わした」と発表した。現代グループは今回の合意により、50年間の白頭山観光事業権も確保した。

 玄会長はまた、金正日総書記と会談し、開城市内観光を今年12月から実施することで合意するとともに、金剛山の頂上である毘盧峯も観光コースに含めることも認められたと明らかにした。今回の合意により現代グループは、白頭山・金剛山・開城の北朝鮮3大観光事業をすべて確保した。

 現代峨山の尹万俊社長は、「白頭山の三池淵空港と現地の宿泊施設を視察した結果、来年5月からの観光が十分可能」と述べた。

 今回の白頭山観光合意は、10・4南北共同宣言で謳った合意事項の最初の結実であり、今後の多様な対北事業に対しても期待を抱かせる。

 直行路による白頭山観光は、これまでの中国経由に比べ大幅に時間を短縮できる。仁川国際空港から1時間半ほどで三池淵空港まで1時間半。そこから天池までシャトルバスで40分で行ける。これに比べ、中国経由は仁川から延吉まで2時間半、陸路で5時間もかかる。投入される航空機は、150―200人乗りのB373が予定されている。

 白頭山天池は直径19・7㌔、面積9・17平方㌔、最大水深384㍍。さまざまな伝説に彩られている韓民族の「聖地」。中国側から見るのとはまた違った景色に出会えそうだ。北当局との間で観光コースに平壌観光を組み込みも交渉中という。

 来月から始まる開城観光は、休戦線を越え陸路で行くことになる。高麗時代の首都だっただけに文化遺産には事欠かず、開城工業団地も見学できる。ソウルから近いので、軌道に乗れば多くの観光客が訪れそうだ。

 ともかく1998年から金剛山観光で始まった北朝鮮訪問は、今回の開城、白頭山観光を追加することでさらに増えることになった。なお制限的ではあるが、国民的に対北接触が増えることの意味は小さくなさそうだ。