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2008/12/12

<総合>韓国の来年成長率2-3%に・国内外主要機関の予測

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 世界の主要機関の来年度経済予測が出揃った。IMF(国際通貨基金)と世界銀行は、欧米日の主要先進国はマイナス成長に陥り、韓国の経済成長率も2・0%に低下すると予測した。世界経済の低迷により、韓国の成長ダウンは避けられず、メリルリンチなど世界の主要投資銀行7行の平均予測値は1・2%にまで下がっている。サムスン経済研究所など国内の研究機関の予測も3%台前半にダウン。政府は、当初の4%台堅持が難しくなっており、来年度経済運営計画作成に頭を抱えている。

 世界的な金融危機発生後、姜万洙・企画財政部長官が来年の韓国の成長率は2%台に低下する可能性もあると述べ、「経済政策のトップにあるまじき無責任な発言だ」と物議を呼んだことがある。李允鎬・知識経済部長官も最近、私見と断りながら、「3%を基準に世界経済が予想より良ければ、上回り、余押すより悪ければ下回る可能性もある」と厳しい見方を示した。李チャンヨン・金融委員会副委員長は、「2%以下に落ちる可能性がある」と悲観的だ。

 特に、韓国の成長率に関する外国の研究機関の予測値は厳しい。UBS証券に至っては、マイナス3%だ。国際金融センターによると、11月末基準でゴールドマンサックス、モルガン・スタンレー、メリルリンチなど7つの主要投資銀行が予想した来年の経済成長率は平均1・2%。 9月の4・3%から急降下した。台湾やシンガポールはマイナス成長という予想だ。

 にもかかわらず政府が4%成長にこだわっているのは、「希望を持って頑張ろう」というメッセージを込める必要性があるからだ。雇用事情はすでに深刻化している。韓国で成長率が1ポイント低下すれば6~7万人の新規雇用減が避けられない。当初、月平均20万人以上の雇用増を計画していたが、 10月の雇用増(前年同月比)は9万7000人にとどまり、11月にはさらに7万8000人に減った。 これは5年8カ月ぶりの低水準だ。

 来年は輸出も期待できない。韓国の主要市場である日本、米国、EU(欧州連合)が軒並みマイナス成長に陥り、中国の成長率もダウンするからだ。輸出が振るわなければ内需に期待しなければならないが、見通しは明るくない。消費と設備投資が冷え込んでおり、政府の大胆な景気浮揚策が問われることになる。

 政府は、このような経済危機克服へ向けて活発な動きを見せている。これまで非公式に開かれていた青瓦台(大統領府)と企画財政部、金融委員会、韓国銀行の首脳による経済点検会議を公式化し、「危機克服の総括機関」にすることを決めた。迅速に状況を把握、対策を講じようというものだ。

 財界も、危機克服に懸命だ。大企業グループが相次いで「グループレベルのリストラはしない」方針を打ち出した。鄭夢九・現代自動車会長は、「いま苦しいからと新技術への投資を減らしてはミライ成長を語ることはできない」として、全社をあげて小型車開発に注力するよう指示した。韓国産業技術振興協会の調査によると、国内企業の研究開発投資の65%を占める上位100大企業の65%が来年の研究開発投資を削減しないと答えている。

 リストラ、投資縮小の消極的経営ではなく、攻撃的経営で難局を切り抜けようというものだ。

 では、韓国経済はいつごろ回復するのだろうか。

 世銀が10日発表した来年度経済成長の予測値によると、韓国は今年の3・9%から来年には2・0%に鈍化するが、2010年には3・8%まで回復する。訪韓中のIMF協議団の一員として訪韓中のスビル・ラル韓国担当課長は9日、ソウルで開かれた世界経済研究院主催の講演会で「韓国経済が来年第1四半期(1~3月)に底を打ち、中盤から徐々に回復するだろう」と述べた。韓国としては来年をうまく乗り切るための政策的対応がますます重要になってきた。