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2017/08/25

<総合>サムスン電子、画期的な視力回復技術開発

  • サムスン電子、画期的な視力回復技術開発

    ギアVRをかけて見え具合を試す視覚障害者

 サムスン電子がVR(仮想現実)機器のギアVRを活用して2億5000万人近い低視覚障害者(弱視)の視力を正常視力の80%にまで高める画期的な技術を開発し、公開した。名付けて視覚障害者支援VRアプリ「リルミノ」。サムスン製ギアVRのゴーグルを使用するアプリケーションだ。この新技術は視覚障害者には画期的だが、日常的にギアVRを装着するのは現実的に難しい。そのため、サムスン電子は年内商品化を目標に眼鏡形態の製品開発を進めている。

 WHO(世界保健機構)によると、世界の視覚障害者数は2億8500万人に上り、そのうち3900万人が全盲だ。治療改善に特別な対策をとらなければ、2050年には3倍に増えるとの研究結果も発表されている。

 今回の新技術は、サムスン電子の社内ベンチャーが1年かけて開発した。全盲以外の視覚障害者が対象だ。特に、視野の一部が見えないブラインドスポットや、トンネルビジョン(トンネルの出口部分だけが見えるように視野が狭まる状態)を患っている人にとって効果が大きい。近年、高齢化に伴い、網膜中心部の神経組織が損傷して起こる、視野の中心が暗くなったり欠ける黄斑変性症が増えている。このような視覚障害者にとっても朗報だ。


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