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2014/09/19

<オピニオン>転換期の韓国経済 第56回                                                       日本総合研究所 向山 英彦 上席主任研究員

  • 日本総合研究所 向山 英彦 上席主任研究員

    むこうやま・ひでひこ 1957年、東京生まれ。中央大学法学研究科博士後期課程中退、ニューヨーク大学修士。証券系経済研究所などを経て、2001年より(株)日本総合研究所勤務、現在調査部上席主任研究員。中央大学経済学部兼任講師。主な著書に「東アジア経済統合への途」など。

  • 転換期の韓国経済 第56回

◆円安・ウォン高で変わる日韓経済◆

 韓国では2012年秋口以降、急速な円安・ウォン高に見舞われた。12年10月に100円=1500ウォン台で推移していたウォン・円レートは、最近の円安加速により、960ウォン台で推移している。

 円安・ウォン高が続いたことにより、経済面にさまざまな影響が表れた。

 第1に、観光面への影響である。とくに日本から韓国への観光客数が落ち込んでいる。13年半ば以降減少幅は縮小に向かったが、14年入り後再び拡大している。減少に歯止めがかかっていないのは、円安・ウォン高と韓流ブームの終焉に加え、政府間関係の悪化が影を落としていると考えられる。

 韓国では、日本からの旅行客の減少は中国からの旅行客増加で穴埋めされているとはいえ、日本人旅行客を主として相手にする店は打撃を受けた。また、日本の一部の地方空港でも、韓国への直行便が減便となるなどの影響が出ている。


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