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2018/05/11

<オピニオン>復活する韓国総合商社

  • 復活する韓国総合商社

◆事業領域拡大、海外発電やホテル事業も◆

 かつて輸出の尖兵として脚光を浴びたが、その後低迷していた韓国の総合商社が再飛躍を目指し変身している。ポスコ大宇、SKネットワークス、サムスン物産、LG商事の4大総合商社は、家電製品レンタルから穀物取引、ホテルや海外風力・太陽光発電など事業領域を広げ、第1四半期(1~3月)は揃って黒字経営を実現した。

 ポスコ大宇は、第1四半期営業利益が初めて1500億㌆を突破した。売上高も昨年より18%以上増えた6兆1710億㌆を記録した。好業績は、同社最大のキャッシュカウ(現金創出源)であるミャンマーのガス田開発とパプアニューギニアの民間発電事業など海外事業の好調によるところが大きい。

 同社は総合事業会社を目標にしている。鉄鋼トレーディング(取引仲介)と資源開発の2大中核事業と食糧・自動車部品・発電の3大戦略事業に集中する計画だ。米国(鋼板流通)、ミャンマー(鉄筋流通)、トルコ(ステンレス加工)に流通・生産法人を設立し、現地市場の攻略に乗り出している。ノウハウがある資源開発はLNG(液化天然ガス)トレーディングからターミナル、配管、発電に至るまで総括する事業構造を作るのが目標だ。

 同社は、食糧事業にも力を入れている。昨年、ミャンマー政府から米穀総合処理場の投資承認を受けたのに次いで、ウクライナでは穀物ターミナル事業を推進中だ。また、ミャンマーにホテルを保有している利点を活用して、会議・展示などMICE事業への進出も進めている。事業領域を広げ、2030年までに売上高40兆㌆、営業利益1兆㌆達成を目標にしている。

 SKネットワークスは、自動車(SKレンタカー)から浄水器やビデなどの生活家電(SKマジック)などを扱う総合レンタル会社への変身を図っている。このため、LPG(液化石油ガス)充填所やガソリンスタンドなど既存事業を整理した。

 今年の営業利益は


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