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2019/03/29

<オピニオン>PM2・5による経済損失4兆㌆超

  • PM2・5による経済損失4兆㌆超

    大気汚染が続きマスクをするソウル市民

◆現代研究研が報告書、大気汚染に対する国民認識を調査◆

 民間シンクタンクの現代経済研究院は報告書「微細粉塵に対する国民認識調査」を発表した。その結果によると、微小粒子状物質(PM2・5)など大気汚染による昨年の韓国の経済損失は4兆230億㌆で名目国内総生産(GDP)の0・2%に相当することが分かった。

 同研究院は全国の成人1008人を対象に大気汚染による産業別の「体感制約度」(屋外活動への制約や売り上げへの影響)を調査した。これを産業別従事者数の割合を考慮して名目GDPに換算。大気汚染の注意報が発令された1日当たりの損失は1586億㌆と推定される。1日当たりの損失に、18年の大気汚染の注意報発令日数(25・4日)をかけて年間の損失を算出した。

 PM2・5の場合、1時間の平均濃度が1立方㍍当たり75㍃㌘以上(環境基準は35㍃㌘以下)で2時間以上続く場合に出される。屋外での産業活動が出来なかったり、人々が外出を控える影響で飲食店などの売り上げが減少したなどの損失を算出した。

 大気汚染が生産活動に制約を与えた割合は、全体平均で6・7%だった。産業別にみると、主に屋外で働く農業、林業、漁業が8・4%で体感的制約の度合いが最も高かった。以下、サービス業が7・3%、電気、下水、建設が7・2%と続いた。

 その他卸小売、運輸、宿泊業、無職、専業主婦の体感制約度が5・6%、鉱業・製造業は4・5%だった。

 勤務地別では、屋外勤務の体感生産活動への制約の度合いが13・6%、室内は5・7%であった。

 マスク購入など大気汚染に対処するために、家計が支出した費用は、1世帯当たり月平均で2万1260㌆と調査された。特に30~40代の世代と高所得世帯で支出が大きかった。30代、40代の世帯は、それぞれ月平均2万5780㌆、2万3720㌆を使った。所得水準別では、月収500万㌆台の世帯が2万6040㌆を支出した。一方、月収200万㌆未満の世帯の支出は1万590㌆に過ぎなかった。

 大気汚染を減らすための費用を支払う意思があるかとの問いには、回答者の55%が「ある」と答え、45%が「ない」と答えた。支払いの意思がない理由としては、「税金を払っても大気汚染が防げるという保証がない」(47・7%)という回答が最も多かった。続いて「既に納付した税金で予防しなければならない」(40%)、「経済的余裕なし」(8・8%)などが続いた。その一方で、大気汚染は懸念すべきレベルでないという回答も3・5%あった。

 大気汚染注意報の発令を半分に減らすために支払い可能な金額は、1世帯当たり月平均4530㌆と調査された。支払い意思がある世帯に限定した場合、月平均8240㌆となった。大気汚染が日常生活に及ぼす変化としては「室内活動の増加」(37%)を挙げる人が最も多かった。また、「マスクの着用」も31%と高かった。その一方で「車の代わりに公共交通機関を利用する」という回答は1・5%に過ぎなかった。

 大気汚染発生の原因については「中国など周辺国からの影響」(78・3%)が大多数を占めた。その他の原因としては、


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