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2021/10/15

<オピニオン>韓国企業と日本企業 第104回 ユーラシア地政学の視座と経営環境認識①                                                   多摩大学経営情報学部・大学院経営情報学研究科 金 美徳 教授

  • 韓国企業と日本企業 第104回 ユーラシア地政学の視座と経営環境認識①                                                    多摩大学経営情報学部・大学院経営情報学研究科 金 美徳 教授

    キム・ミトク 多摩大学経営情報学部及び大学院経営情報学研究科(修士・博士課程)教授、アクティブ・ラーニングセンター長。1962年兵庫県生まれ。早稲田大学院国際経営学修士・国際関係学博士課程修了。㈱三井物産戦略研究所を経て現職。

◆視界不良の世界でより深い洞察が必要◆

 寺島実郎多摩大学長は、「経済人は、平和に敏感でなければならない」、「経営とは、時代認識である」、「世界を知る力と地政学的知(ゲオポリティカル)が大切である」と常々述べておられる。また、某総合商社社員から「最近の経営陣は、社内は見えているが、世界は見えていない。日本の立ち位置を見極めるため世界・時代潮流を研究するプロジェクトを立ち上げる」と伺ったことがある。

 今後、コロナショックが変える新しい世界と「VUCAの時代」(変動性・不確実性・複雑性・曖昧性)は、不透明性が高く、視界不良であるため、これまで以上に「世界で何が起こっているか」をより広く把握かつ深く洞察する必要がある。したがって「平和に対する敏感さ」、「時代認識」、「世界を知る力」、「地政学的知」は、ビジネスパーソンや経営者にとって必要不可欠の教養・感性・視座となり、企業にとっては競争優位性の重要な源泉となる。繰り返すが「平和・時代・世界・地政学」という教養力を持ち合わせることができなければ、ビジョンや戦略が描けなくなり、経営や現場での意思決定もできなくなると言っても過言でない。


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