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2022/12/16

<オピニオン>転換期の韓国経済 第154回                                                       中央大学経済学部 向山 英彦 非常勤講師

  • 転換期の韓国経済 第154回                                                       中央大学経済学部 向山 英彦 非常勤講師

    むこうやま・ひでひこ1957年、東京生まれ。中央大学法学研究科博士後期課程中退、ニューヨーク大学修士。証券系経済研究所などを経て、2001年より22年まで(株)日本総合研究所勤務。中央大学経済学部非常勤講師。主な著書に「東アジア経済統合への途」など

  • 転換期の韓国経済 第154回                                                       中央大学経済学部 向山 英彦 非常勤講師

◆米IRA対応、カナダが救世主となるか◆

 韓国の輸出先をみると、地殻変動ともいえる動きが生じている。2000年代に入って進んだ中国シフトに代わり、10年代以降米国への再シフトが生じている(下図)。この背景には中国の成長減速もあるが、韓国企業による過度な中国依存の是正と米国での事業拡大がある。経済面で米国の重要性が再び高まるなかで、半導体やEV(電気自動車)分野では、バイデン政権がめざす中国に依存しない供給網構築への対応が課題になっている。EVに関しては、カナダが救世主になる可能性が出てきた。

 今年8月16日にバイデン大統領が署名した「インフレ抑制法」(IRA)では、①北米での組み立て、②バッテリーの素材と部品の米国もしくは米国とのFTA締結国から一定以上の調達という条件(22年は①のみ)を満たしたEVが補助金(1台あたり最大7500㌦)の支給対象となった。


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