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2023/07/21

<オピニオン>転換期の韓国経済 第161回                                                       中央大学経済学部 向山 英彦 非常勤講師

  • 転換期の韓国経済 第161回                                                       中央大学経済学部 向山 英彦 非常勤講師

    むこうやま・ひでひこ1957年、東京生まれ。中央大学法学研究科博士後期課程中退、ニューヨーク大学修士。証券系経済研究所などを経て、2001年より22年まで(株)日本総合研究所勤務。中央大学経済学部非常勤講師。主な著書に「東アジア経済統合への途」など

  • 転換期の韓国経済 第161回                                                       中央大学経済学部 向山 英彦 非常勤講師

◆印で拡大し始めた組み立て生産◆

 日本同様に、近年韓国ではインドに対する関心が高くなった。中国の成長率低下のほかに、インドが中国を抜いて世界一の人口大国になること、中間層の増加によって市場が拡大していることが背景にある。昨年の自動車販売台数は中国、米国に次ぐ世界で3番目の市場になった(下図)。今後の成長への期待が大きいだけに、インドの現状に対して冷静な見方が必要だと考える。

 まず、韓国の輸出先として、インドの比重が小さいことである。今年上期の輸出に占める割合は2・8%で、中国の19・7%と大差がある。多くの企業にとって、インドは国内販売を目的にした事業が中心である。中国では改革・開放政策の導入後、経済特区に海外企業が進出して輸出が急拡大した。世界の工場となり、韓国からも中国に中間財が輸出された。その後、WTO加盟(2001年)を契機に規制緩和が進み、所得が増加したことなどから、中国が世界の市場にもなった。


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