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2023/08/18

<オピニオン>転換期の韓国経済 第162回                                                       中央大学経済学部 向山 英彦 非常勤講師

  • 中央大学経済学部 向山 英彦 非常勤講師

    むこうやま・ひでひこ1957年、東京生まれ。中央大学法学研究科博士後期課程中退、ニューヨーク大学修士。証券系経済研究所などを経て、2001年より22年まで(株)日本総合研究所勤務。中央大学経済学部非常勤講師。主な著書に「東アジア経済統合への途」など

◆注目したい住宅市場の動き◆

 韓国経済を取り巻く環境は厳しい状況が続いている。インフレ加速と利上げの影響に加えて、世界経済減速にともなう輸出不振に見舞われた結果、昨年の実質GDP成長率は2021年の4・3%を下回る2・6%になった。四半期ベースの成長率(前期比、以下同じ)は4~6月期から3期連続で低下し、10~12月期は民間消費と輸出の落ち込みでマイナス0・3%になった。

 今年に入っての成長率をみると、1~3月期に0・3%、4~6月期は0・6%(速報値)となった。持ち直したようにみえるが、4~6月期のプラス成長は輸入が大幅に減少したためであることに注意したい。民間消費をはじめ建設投資、設備投資、財・サービスの輸出がいずれも前期比マイナスになり、内外需の減速を示す内容であった。


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